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田中重人 (東北大学文学部准教授)
現代日本論概論「現代日本における職業」東北大学 文学部 (2012年度 第4セメスタ)
経済学 (Economics)……希少な資源 (resource) を利用した生産とその成果の分配をあつかう
原料 + 生産設備 + 労働 → 生産物
古典的な経済学では、生産設備のことを指して「資本」(capital) と呼んできた。
現在の経済学 (および社会科学) では、「資本」という概念はより広い意味で使われている。
人的資本には、どこででも使える「一般的」(general) なものと、使える場所・場面などが限定される「特殊」(specific) なものがある。
特に、特定の企業でだけ使える人的資本を「企業特殊的」(firm-specific) 人的資本と呼ぶ。
キャリアに関する研究は、経営学や産業心理学の分野でおこなわれてきた。
この授業では3番目の意味で使う。
これらを獲得していく過程のことを「キャリア形成」「キャリア発達」(career development) と呼ぶ。キャリア形成には、それまでの段階で何を獲得できているかが重要である。
キャリアをどのように進んでいくかは、家族、学校、企業、政府などによってある程度の道筋がつけられている。しかし、最終的に進む方向を決めるのは本人である。
「キャリア・アンカー」(career anchor)とは……
人生のあらゆる局面で、長期間にわたって参加するものについて、「キャリア」が存在する。「家族キャリア」「職業キャリア」「学校キャリア」「地域社会キャリア」など。
ある領域でのキャリアを追求すると、他の領域でのキャリアに悪影響を及ぼすことがある。
- → キャリア間の葛藤(conflict)
葛藤の起こる原因 …… 資源の有限性
- 例: 授業に出ながらアルバイトをすることはむずかしい。どちらを優先するか?
ある領域で獲得したものが他の領域でも使える場合には、葛藤は起こりにくい。むしろ、相乗効果が発揮されて、両方ともうまくいくケースもある。
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