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URL: http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2012/quesu/q120629.html
田中重人 (東北大学文学部准教授)
現代日本論演習「質問紙法の基礎」
第7講 調査票の作成・2 (6/29)
[配布資料PDF版]
調査票全体の様式
分量
調査対象者の負担や回答時間を考えて上限を決める。多くても16ページくらい?
印刷の形式
両面刷りで、製本して冊子体にするのがふつう
- 余白をじゅうぶんにとること
- ひとまとまりの質問項目を1ページにおさめること
- 1ページ内のレイアウトが複雑になる場合は、DTPソフトを使うか、印刷所に組版を依頼するとよい
- 各ページにページ番号をふる
- 色紙や高級紙を使ったり、カラー印刷すると、通常の書類と差別化できる
1ページ目の様式
タイトル
- 調査の内容を的確に表すタイトルをつける。
- ただし、難解な語句や調査対象者の反発を招く表現は避ける
- 研究者向けのタイトルと調査対象者向けのタイトルを別にすることも多い
調査主体・連絡先
- 調査をおこなう主体と責任者名、所属、学年
- 住所・電話番号・メールアドレス (授業用の代表用アドレスを用意してあるので、それを使ってもよい)
あいさつ文
- 自己紹介
- 調査の目的や意義 (詳しく書くことで、回答者の動機づけの高まることが期待できる)
- 個人情報やプライバシーの保護について
- 結果の報告先や公表媒体
- 対象者の選定方法
調査票とは別の紙に「あいさつ」を用意する場合もある。
記入上の注意
選択肢のえらびかた、数字の記入法、「わからない」ばあいにどうするかなど。
回収方法まで指示することもある。
調査票の最後
- 終わりのあいさつを入れる
- 調査への感想や調査主体への意見を書く欄を設けることも多い
質問のならべかた
全体的な配列
答えやすいものを最初に、私生活に関するものを最後に。
- Face sheet (性別・年齢などの基本的な属性): ただしプライバシーに注意 (教科書 87ページ)
- 調査の中心的な項目 (意識など)
- 私生活に関する項目 (家族構成、収入など)
たがいに関連する項目や、回答対象者を限定する項目はならべて配置する。
- 前後にどういう項目がくるかによって、おなじ質問文でも回答が変わることがある (carry-over effect; 同化効果; 対比効果) → 教科書88ページ
回答上の指示
- 対象者を限定する場合: 太字にするなどして目立たせる (できればページの最上部に来るように工夫する)
- 非該当の対象者のジャンプ先 (通常は質問番号で指示するが、ページ数を付加する場合もある) → 教科書 92ページ
質問番号と見出し
各項目には番号をつけ (問1, 問2, ... など)、その後に質問文をつづける。
質問番号の前に話題転換のための文を入れることがある
予備調査 (pre-test)
本調査の前に、かならず予備調査をおこない、調査票を修正する。
- 質問文が適切に理解されるか
- 質問の流れに支障はないか
- 回答にかかる時間
- 回答者の負担感
対象者は少数でよい (数人から20人程度) が、本調査と同様の対象者を選ぶこと。回答に迷ったところや答えにくいところ、意味のつかみにくい質問文などについて、回答者の意見を集めることが目的である
調査票の校正
小さなミスがのこっていると、それだけで調査が台無しになることがある。細心の注意を払って校正すること。
今後の予定
各自で調査を実施すること
- 質問紙を完成させ、予備調査を経て、本調査を実施
- 適宜、田中の指導を受けること。調査実施前に、必ず OK をとらなければならない。
- 7/13, 20 に調査結果の口頭報告
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TANAKA Sigeto
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- 2012-06-28:Created
- 2012-06-29:Minor corrections
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