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URL: http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/family/
田中重人 (東北大学文学部准教授)

現代日本論概論「現代日本における家族」2012年度

第2講 親族と家族 (4/20)


[配布資料PDF版] [課題用紙PDF版]
[今回のテーマ] 教科書 I-1 の内容を理解する

課題について

今回の課題

授業時間内課題についての注意事項

授業の前半と後半にそれぞれ構想・執筆のための時間を設ける。授業時間内に完成させて提出すること。課題用紙は表面だけを使う。裏面には何も書いてはならない。

常体 (「である」体) で、きれいな読みやすい字で書くこと。ことばの誤用や誤字がないように注意すること。国語辞典(電子辞書でよい)を常備することがのぞましい。

下書きのための用紙は各自で用意する。ノートでもよいし、大きい紙やカードを用意してもよい。また、執筆中の推敲が必須になるので、鉛筆(またはシャープ・ペンシル)と消しゴムで書くことがのぞましい。

教科書と配布資料のほか、何でも参照してよい。ただし、何を参照したかをかならず書くこと。教科書については、参照したページを書く。

提出前にかならず誰かにみせて意見をもらうこと。意見をもらった相手と意見の内容を用紙下部の該当欄に書く。

用紙下部の「教員宛メッセージ」欄には、授業に関する感想・質問・意見、次回以降の欠席の連絡などを書く (採点対象外)。

提出された課題用紙は、採点のあと、つぎの回に返却する。修正の指示がある場合は書きなおして再提出すること。修正の指示がないばあいも、書きなおして再提出してもよい (採点結果には影響しない)。いずれの場合も、修正部分を色ペンで加筆する、あるいは書きなおし前のものと書きなおし後のものの両方を提出するなど、どこをどう直したかがわかるようにしておくこと。

欠席・早退などのために提出できなかった場合は、後日提出してもよい (減点の対象になる)。なお、用紙は http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/brd.pdf から入手できる。

学期末にすべての課題をまとめて再提出してもらうので、いったん返却された課題用紙をきちんと保管しておくこと。


「家族」制度に関するふたつの問題

私たちは、ある範囲の人々をひとまとめにしてひとつの「家族」としてあつかい、特殊な権利と義務をあたえている。

家族の範囲はどうやって決まるのか?
家族(の成員)には、体内的・対外的にどのような権利と義務があたえられているか?

家族形成規範

親族関係に基づいてひとまとまりの親族の範囲を確定するルールが制度として確立している場合、そのルールのことを「家族形成規範」という。

夫婦家族制 (conjugal family system)

複数の夫婦をふくんではならないというルール。 (俗に「核家族制」と呼ばれることもある ) このルールのもとでは、つぎのような「家族」が生じる。

直系家族制 (stem family system)

夫婦が各世代に1組ずつふくまれるべきとするルール。このルールのもとでは、夫婦同士は直系の関係にある。傍系の関係にある夫婦が同一の家族に入ることはない。

複合家族制 (joint family system)

傍系の関係にある夫婦をふくんでもよいとするルール。このルールのもとでは、傍系の関係 (たとえばきょうだい同士) の夫婦を多数ふくんだ大規模な家族が形成される。


民法と戸籍法

日本における家族法の歴史

親族関係を規定する法体系のことを「家族法」(family law) という。古い用語では「身分法」「人事法」ともいう。また、相続に関する部分を「相続法」と呼び、それ以外の部分を「親族法」と呼んで区別することがある。

日本の家族法に関する年表 (有地, 2005, pp. 4--11)

1868: 明治維新
1872: 戸籍法 施行 (=「壬申戸籍」)
1890: 民法 制定 → 民法典論争 → 施行されないまま廃止
1898: 再度の民法制定 (=「明治民法」)
1945: 連合国軍による占領 (〜1951)
1947: 民法・戸籍法 改正 (=現行民法・戸籍法)

明治民法と戸主制度

教科書 XI-7, XI-8 参照

現行法における戸籍

戦後改革と民法・戸籍法改正

親子関係


生活構造と家族

世帯とは

居住と生計を共にする集団を「世帯」(household) と呼ぶ。

測定しやすいので、事実上「家族」概念の代用として、研究/政策上つかわれてきた。

地理的移動と家族

別々に暮らしていると別世帯か?


次回までの課題

「夫婦」「親子」「離婚」「相続」の4つのトピックについて、分担を決めます。自分の担当のトピックについて、簡単な資料を6部作ってきてください (1部は提出、残りは討論に使用)。次回授業時におなじトピック担当者同士での討論、次々回授業ではちがう担当同士でのグループ活動を行います。

「夫婦」担当者: 教科書 XI-1 のほか、泉 (2005, pp. 34--) などを参照
「親子」担当者: 教科書 XI-3 のほか、利谷 (2010, pp. 122--) などを参照
「離婚」担当者: 教科書 XI-2,4 などを参照
「相続」担当者: 教科書 XI-6 のほか、棚村 (2006, pp. 106--) などを参照

参考文献

有地亨 (2005)『家族法概論』(新版 補訂版) 法律文化社. {2005:4589028255}

泉久雄 (2005)『家族法読本』有斐閣. {2005:4641133921}

森岡清美 (1983)『家族社会学』(新版) 有斐閣. NCID:BN00680294

棚村政行 (2006)『結婚の法律学』(第2版) 有斐閣. {2006:4641281025}

利谷信義 (2010)『家族の法』(第3版) 有斐閣. {2010:9784641135567}


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