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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2015-07-08
現代日本論演習/比較現代日本論研究演習II「質問紙調査の基礎」
学位論文や通常の授業レポートは、報告書と雑誌論文の中間くらいか。
報告書はつぎのような役割を持つ (用途別にちがう版をつくることもある)。印刷した物を関係者に配布するほか、図書館に寄贈したり、インターネットで公開したりする。
調査の企画段階から、報告書作成のための予算・時間を見越しておくこと
文章で詳しく書いてもよいし、表の形式で簡潔にまとめてもよい。
「資料」には、通常、すべての変数 (ただしIDなどのケース別に固有の値のものは除く) について度数分布を表示する (巻末に「資料」などとして載せる)。カテゴリ数の多いものについては、適当な階級に分けてよい (たとえば、年齢を5歳刻みにするなど)。
度数分布表に載せる相対度数 (パーセンテージ) には、欠損値を含めて計算したものと、除いて計算したものがある。どちらを使ってもよい。ただし、どのくらいの欠損値が出ているかという情報は重要なので、欠損値の種類と数は必ず表に載せること。
報告書の中心部分には、データ分析をおこなった結果を載せる。調査をおこなうにあたっては、問題関心 (または仮説) があるはずなので、それにしたがって分析し、結論を出すことが望ましい。
分析結果をどのようなかたちで報告書に記述するかは、想定読者によって変わる
また、分析結果そのものの表示の仕方もいろいろである。
報告書は繰り返しコピーされることを念頭において作成する。網掛けやカラー印刷はなるべく使わないのがよい。グラフを使用する場合、細部まではっきり見えるかどうかに注意すること。 3次元 (3-D) グラフはわかりにくくなるので、使わないほうがよい。
調査の各段階でどのようなことをしたか、記録をとっておくことがのぞましい。特に、エディティングとコーディングについては、どのような方針でデータを作成したかの説明を報告書にのせること。本文で概略を説明し、詳細は資料にのせるのがふつう。
調査をするにあたって参考にした情報は、報告書に書く。本や論文については、通常の文献参照でよい。そのほか、たとえば友人との雑談からヒントを得たような場合でも、なるべく、どのようなアイデアが誰の発案であるかがわかるよう、本文・注・謝辞・資料などに書いておくこと。
特に、調査の質問文や回答欄の形式などについて既存の調査を参考にした場合は、資料に一覧を設けること。重要なものについては、報告書本文でも触れることがのぞましい。
レポートは、9/3 以降に返却しますので、取りに来てください。
来週の授業では、各自の調査についての発表会を行います。
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