毎月勤労統計調査の諸問題
田中 重人
<http://tsigeto.info>
(東北大学)
東北大学文学研究科研究年報 69:210-168 (2020-03-07)
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- Title: 毎月勤労統計調査の諸問題 || Problems with the Japanese Monthly Labour Survey
- Author: 田中 重人 || TANAKA Sigeto
- Journal: 東北大学文学研究科研究年報 || Annual Reports of Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University
- Publisher: 東北大学大学院文学研究科 || Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University
- Volume: 69
- Pages: 210-168 (71-113)
- Date: 2020-03-07
- Language: JPN
- Handle:
10097/00127285
- NAID:
120006811351
- NCID:
AA11521033
- ISSN:
1346-7182
- OSF:
https://osf.io/jwqt9
- Academia.edu:
https://www.academia.edu/42327400
- URI:
http://tsigeto.info/20a
- OSF project:
https://osf.io/3n7y9/
要約
厚生労働省「毎月勤労統計調査」をめぐって、2018年後半以降さまざまな議論が展開されてきた。特に、東京都の大規模事業所を一部抽出していたのにその統計処理を怠ったため、平均給与が低めに推計されていた問題が大きな注目を集めている。そうした議論のなかには、同調査への基礎的な理解を欠いているケースも散見される。また、調査の方法や集計結果について従来から多くの情報が公開されてきたにもかかわらず、それらがじゅうぶんに活用されていない。本稿では、毎月勤労統計調査の問題点を腑分けして説明するともに、公開情報によって問題の原因をどこまで明らかにできるかを検討する。
目次
- 1. 毎月勤労統計調査の沿革と公式情報源
- 1.1. 毎月勤労統計調査とは
- 1.2. 特徴
- 1.3. 「甲」調査と「乙」調査
- 1.4. 情報源
- 2. 1990−2017年の毎月勤労統計調査
- 2.1 調査対象
- 2.2. サンプリングと標本誤差
- 2.3. 実査と回収率
- 2.4. 集計の方法
- 2.5. 母集団労働者数とベンチマーク
- 3. サンプル削減と誤差率の偽装
- 3.1. 公称サンプル規模と実際の対象事業所数
- 3.2. 誤差率からの接近
- 3.3. サンプル間引き疑惑
- 4. 東京都不正抽出問題と調査精度
- 4.1. 2004年の不正抽出開始
- 4.2. データにゆがみをもたらす2つの回路
- 4.3. 誤差率の偽装
- 4.4. 「再集計値」について
- 5. 産業分類変更にともなう不適切集計
- 6. 2018年問題
- 6.1. 厚生労働省による当時の説明
- 6.2. 経済センサスにみる常用雇用者数の推移
- 6.3. 毎月勤労統計調査による母集団労働者数推定
- 6.4. 「宿泊業,飲食サービス業」にみる労働者数の変動
- 6.5. 乖離の原因
- 6.6. 「補正比」以外の効果
- 6.7. 遡及改訂を拒む政府
- 7. 常用労働者定義変更はどのように影響するか
- 7.1. 常用労働者の定義変更
- 7.2. 調査結果への影響
- 7.3. 母集団労働者数への影響
- 7.4. 定義変更が反映するタイミング
- 7.5. 常用労働者定義変更のいきさつ
- 8. まとめ
図・表
- 図1. 誤差率の推移 (1990-2017)
- 表1. 毎月勤労統計調査の目標精度
- 表2. 産業・規模別の「提出率」(2017年)
- 表3. 毎月勤労統計調査の標本規模 (1996-2018年)
- 表4. 2018年1月「断層」発生へのベンチマーク更新の寄与
- 表5. 2018年1月ベンチマーク更新前後の母集団労働者数推定値の変化
- 表6. 経済センサス-基礎調査による事業所規模別の常用雇用者数
- 表7. 経済センサス-基礎調査による「M 宿泊業,飲食サービス業」の常用雇用者数
- 表8. 毎月勤労統計調査「M 宿泊業,飲食サービス業」の母集団常用労働者数推定値
文献
謝辞
本稿はJSPS科研費
JP17K02069
による研究成果の一部である。既発表の文献 [田中 2019a] [田中 2019b] のほか、個人ブログ等に掲載した文章を再構成して利用している。
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