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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2015-10-08

現代日本論演習/比較現代日本論研究演習III「実践的統計分析」

第1講 推測統計の基礎


[配布資料PDF版]
[テーマ] 推測統計の基礎

復習


標本比率 m はわかっているが母比率 M が不明の場合の区間推定

つぎのような情報 (=標本統計量) から、母集団における統計量 (=母比率) を推測する → 母比率はたぶん ○○ から ×× の範囲にある (区間推定)

袋のなかに色つきの玉がたくさん入っている。ここから8個取り出したところ、すべて赤であった。

このの例題では、 m=1 であることがわかっているが、 M が不明である (n=8)。このとき、95%信頼区間を求めるには、 M を適当に仮定し、その仮定の下で m=1 になる確率を計算することを繰り返す:

このようにして、m=1 になる確率が 2.5%以上 である M の範囲を求める。

課題1: 解答を水曜正午までに ISTU に提出。プロセスがわかるように書くこと。

累乗 (0.9 の8乗など) を求めることが必要になる。 Windowsの「電卓」ではメニューから[表示]→[関数電卓]に切り替えるとよい。 Excelでは ^ という演算子が使える (掛け算を8回繰り返してもよい)。


もっと複雑な例

全世界から400人を無作為抽出して麺類の好みを訊いたところ、「うどんが好き」と答えた人が240人であった。このとき、母集団 (全世界の人々) におけるうどん好きの比率の95%信頼区間を求めよ (欠損値はないものとする)。

原理的には上記とおなじやりかたで計算できるが、計算量が膨大になるので実際的でない。このような問いに答えるためには、「二項分布」(binomial distribution) の知識を利用する。


二項分布の簡単な例題

硬貨を4回投げて、そのうち表が出る回数 x を数える。


表=1, 裏=0 であらわすと
0 0 0 0 (x=0)
0 0 0 1 (x=1)
0 0 1 0 (x=1)
0 0 1 1 (x=2)
...............
1 1 1 1 (x=4)

どれも等しい確率 (1/16) で起こるとすると、つぎのそれぞれの場合の確率が求められる:


表が1回も出ない (x=0) 確率:
表が1回出る (x=1) 確率:
表が2回出る (x=2) 確率:
表が3回出る (x=3) 確率:
表が4回出る (x=4) 確率:
課題2: 解答を水曜正午までに ISTU に提出。プロセスがわかるように書くこと。

参考資料


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