[Previous page] [Next page]

http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2016/family/f160531.html
田中重人 (東北大学文学部准教授) 2016-05-31

現代日本論概論「現代日本における家族」

第6講 人口と家族 (1): 人口学の考えかた


[配布資料PDF版]
[テーマ] 人口ピラミッドを読む

今回の課題

配布資料の「人口ピラミッド」からどんな特徴が読みとれるか。全体的な形状のほか、特に A〜D の部分に注目して説明すること。教科書 I-3 などを参考にするとよい。

データは {http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/pyra.html} による


人口学とは

「人口」(population): ある属性 (たとえば居住地・年齢・性別など) に該当する人間の数

人口について研究する学問を「人口学」と呼ぶ。狭い意味では、人口やその変動をとらえるための理論をあつかう「形式人口学」(formal demography) だけを「人口学」と呼び、人口に関わる具体的な諸問題をあつかう「人口研究」(population studies) と区別することがある。


人口ピラミッド (population pyramid)

ある時点での人口を、左が男性、右が女性、下が若年、上が高年齢になるようにして、グラフにあらわしたもの。年齢構造の特徴をひと目で把握できる。

現代日本では、どの年齢層が多く、どの年齢層が少ないか?


人口動態 (population dynamics)

人口方程式 (demographic equation)


人口増加 =     自然増加    +     社会増加
     = ( 出生 − 死亡 )  +  ( 流入 − 流出 )

現代日本社会では、国際移動による増減はあまりない。日本全体の人口の変動は、ほぼ自然増加で決まると考えてよい。すなわち、出生数と死亡数の差である。

コーホート観察と期間観察

出生コーホート (birth cohort)……おなじ年に生まれた人々を指す。単に「コーホート」と呼ばれることも多い

「コーホート」とは、おなじ時期におなじ出来事を経験した人々の集団をいう。

人口転換 (demographic transition)

人口は、かなりダイナミックに変動する

特に、近代化にともなっては、死亡率が低下し、ついで出生率が下がる。この結果として、近代社会は、

多産多死 → 多産少死 → 少産少死

という変化を経験する。日本社会では、1920年代〜1950年代ごろ。


進度確認課題

次々回 (6/14) 進度確認課題


期末レポート

課題「2016年の報道から家族に関連する記事を1つ選び、この授業の内容と関連付けて説明する」

次回 6/7 に計画提出 (あとで変更可)。どのような報道についてどのような観点から論じるか、A4用紙1枚にまとめること。


文献


この授業のインデックス | 関連するブログ記事

前回の授業 | 次回の授業

TANAKA Sigeto


History of this page:


This page is monolingual in Japanese (encoded in accordance with MS-Kanji: "Shift JIS").

Generated 2016-05-31 12:17 +0900 with Plain2.

Copyright (c) 2016 TANAKA Sigeto