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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2016-06-28
あまり言及されていなかった要因
「要因」の候補は多岐にわたる。当時の時代状況についての知識を駆使して想像してみること。また、原因と結果の間にあるメカニズムについて、筋の通った説明を試みること。大きくわけると、前近代から引き継いだ規範や制度 (イエや同族) によるものと、近代になってできた新しい家族制度 (「近代家族」と呼ばれる) によるものがある (教科書第III部)。
近代化 (modernization)
近代化する社会における前近代的セクターと近代的セクターの併存 (二重システム = dual system)
近代化が進展する途上を「前期近代」、社会のほぼ全体が近代化してしまったあとを「後期近代」と呼んで区別することがある。
近代以前の社会において家族が果たしてきた主要な社会的機能 (social function) としてはつぎのようなものがある。
近代化とともに、家族の機能は少なくなってきた (▼印のものが縮小)。この機能縮小の過程は、日本社会では、20世紀はじめごろから、都市部のサラリーマン層で進展した (教科書 p. 30)。日本社会全体にひろまるのは高度経済成長期 (1970年代ごろまでにほぼいきわたる)。
「近代家族」(modern family) の特徴 (教科書 p. 22) について、具体例をあげながら考察してみよう。
近代家族は、近代化に適応してできた合理性を持つ家族制度である。
他方、この制度にはさまざまな問題もある。「家族問題」とされる現象のほとんどは、近代家族の特徴に関係している
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