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http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2016/readg/r160506.html
田中重人 (東北大学文学部准教授)
2016-05-06
現代日本論講読/比較現代日本論講読I「現代日本論論文講読」
第2講 論文をさがす(つづき)
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
電子ジャーナルと Web of Science の使いかた
電子ジャーナルについて
電子ジャーナルとは
「冊子体の内容と同じ本文を、ウェブで利用できるようにしたもの」(基本編 p. 108)。通常、各論文がひとつのファイルになっている。近年ではPDF (Portable Document Format) 形式で提供されることが多い。印刷された冊子体の論文と同一のものとみなしていいことになっている。
印刷用のコンピュータ・ファイルを流用したもの
- ファイル・サイズが小さく、精度が高い。
- テキスト情報がふくまれるので、文字列検索ができる。
印刷物からスキャンしたもの
- ファイル・サイズは精度に比例する。こまかい文字の判別ができなかったり、汚れが写っていたりすることがある。
- 何種類かのファイル・サイズを選べることがある。
- OCR (光学的文字認識) で取得したテキスト情報をつけていることが多いが、一般に精度が低い。
電子ジャーナルの購読「契約」とは……東北大学内のコンピュータからファイルにアクセスできる (IPアドレスで識別される)。
契約していない場合でも、無料で提供されているものや、クレジット・カード決済で購入できるものがある。
図書館で冊子体を購入していない雑誌であっても、電子ジャーナルの購読は契約していることがある。
電子ジャーナルの探しかた
- 図書館WWWサイトの「電子ジャーナル」リストから (基本編 pp. 109--111)
- 図書館目録 (Online Catalog) 検索結果から (基本編 p. 112)
- 検索エンジン Google や Google Scholar
<http://scholar.google.com>
など
各種文献データベースの検索結果からジャンプできることがある
- 課題:
教科書基本編 p. 109--111 にしたがって Clinical Neurophysiology, 117(3), pp. 668--680 の電子ジャーナル版論文を探してみる。
その他の電子論文
オンライン雑誌 (冊子体が発行されないもの) は通常「電子ジャーナル」とは呼ばれない。
著者やその所属機関が雑誌投稿前の原稿 (preprint) や掲載決定後の原稿 (postprint) を公開している場合がある。Working paper, Self-archiving, E-print などと呼ばれる。これらについては、雑誌に掲載された論文との同一性の保証がないことに注意。内容についての参考にはなるが、引用する際には正式の版 (雑誌の冊子体または電子ジャーナル) を利用すること。
例:東北大学機関レポジトリTOUR
<http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/>
これらのファイルをさがすには、現在のところ、Google Scholar
<http://scholar.google.com>
がいちばん便利である。
洋雑誌名の記法
最初の定冠詞 (The) はふつう省略する。また、各単語の後半を省略して記載されることがある
- The American Journal of Sociology
- American Journal of Sociology
- Am. J. Sociol.
図書館 Online Catalogue や NACSIS Webcat などでは、省略形の雑誌名も登録されている。
Am J Sociol
アステリスク (*) を使って前方一致 (truncation) 検索することもできる
Am* J* Sociol*
Am* Sociol*
英語論文の書誌情報の書きかた
日本語教育学研究室の様式 (http://localnet/style/) では
Author (Year) "Title." Journal. Vol(No), pp. xx--yy.
のように書く。
- Kaplan, R. B. (1966) "Cultural thought patterns in international education." Language learning. 16, pp. 1--20.
Web of Science の使いかた
Thomson Reuters社によるデータベース Web of Knowledge の一部。 質の高い学術雑誌のみに限定して、論文のタイトル・著者名・抄録・引用文献表を収録している。
Web of Science は3つのデータベース (+α) の集合体である:
- 自然科学系: Science Citation Index (SCI) Expanded
- 社会科学系: Social Sciences Citation Index (SSCI)
- 人文科学系: Arts & Humanities Citation Index (A&HCI)
使用法は教科書 (資料編 pp. 93--96; 人文社会科学編 pp. 38--41) を参照。
- 通常は、「トピック」(Topic) に適当な単語を入力して探すとよい
- 抄録および引用文献表から検索できる
- A&HCI は、 1975年以降の英語文献を中心に収録。SCIと SSCIはそれ以前の文献をふくむ
- 検索語は語単位でマッチする。空白で単語を区切ると論理積 (and) 検索になる。フレーズでの検索をおこなうには二重引用符 (") で囲む。論理和検索をおこなうには、「or」で区切る。
- アステリスク (*) をワイルドカード (=何にでもマッチする) として使える。
- 「引用文献検索」(Cited Reference Search) を使うと、ある文献を引用している論文を探すことができる。
- 検索するデータベースは画面下部で選択できる。
- 個人用のアカウントを登録 (サインイン = sign in) すると、検索や出力の条件を記憶させておくことができる。また EndNote Web (→ 下記) に検索結果を保存できる。
終了するときはかならず「ログアウト」すること。
- 例題:
日本語 (Japanese) のポライトネス (politeness) に関する論文を探してみよう。
キーワードのみつけかた
- その分野の基本的な知識を仕入れておくこと。
- 日本語のキーワードがわかっている場合、
CiNii
で検索して「English」モードで見ると、対応する英語の表題やキーワードがわかる場合がある
- CiNii
の検索結果右側に出る「キーワード」リストが使える場合がある
- 同義の用語が使い分けられている場合があることに注意 (特に異なる分野間での違い)
- 語形変化に注意 →ワイルドカードや OR 検索の使用
その他の文献データベース
- →
日本語教育学研究室:学生のための研究の手引き:
http://www.sal.tohoku.ac.jp/nik/student/
EndNote Web(文献整理)
Web of Science 画面上部の「Myツール」から、メールアドレスを登録して使う。
- Web of Science でみつけた情報を保存できる
- CiNii などのデータベースからの情報も import できる
- いちど登録しておけば、学外からも使える
今週の課題
- 文献データベースを利用して、現代日本文化に関する英語論文で自分の興味にあうものを2本さがし、コピーを次回提出。
- Peer review 制の雑誌の原著投稿論文に限定する
- これらの2本の論文は、別々の雑誌からえらぶ
- 1本は冊子体の雑誌からコピー、もう1本は電子ジャーナルから印刷
- 表紙など、書誌情報がわかる部分もコピーする
- 最初のページの左上に提出者氏名を書く
- 複写サービスの費用がかかった場合は領収書をとっておくこと
- 上記の2本の論文について、その論文を入手するまでのプロセスをA4用紙1枚にまとめる
- 日本語教育学研究室の様式に則って書誌情報を書く
- 検索につかったデータベースと検索式
- その論文をえらんだ基準
- 雑誌所在をどのように探して入手したか
- 入手するまでに苦労した点
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