URL: http://www.nik.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/writing/
作成:田中重人 (講師)
<tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp>
現代日本論講読I
(3セメスター) 2年生対象
<水4>文学部大講義室
★ 中間レポート返却のお知らせ
[配布資料セット (PDF形式)] (4/17まで)
『講義概要』p.159 記載内容
◆授業内容:大学での研究 (たとえば授業での課題,レポート,卒業論文など) で要求される文章は、高等学校までの「作文」とは本質的にちがう。研究の文章は、(1) データに基づいた論理的な推論を中心とする、(2) 論理構造に沿った章立てや段落分けが重要である、(3) 誤解をまねかないよう正確に書かなければならない、 (4) 先人の業績と自分の意見とを区別しなければならない、(5) そのために文献参照の規則がこまかく定められている、といった特徴をもつ。この授業では、これらのルールを学ぶと同時に、実際に論文を執筆し、受講者相互の批評をとおして執筆のプロセスを習得する。
◇テキスト:木下是雄、1981『理科系の作文技術』中央公論社。
◇成績評価の方法 各回の授業中の課題 (40%)、中間レポート (20%)、期末レポート (40%) を合計して評価する。
レポートについて
中間レポート、期末レポートはそれぞれつぎのような内容にする予定:
- 中間レポート:本・雑誌記事・TV番組などなんでも批評
- 6/12 授業時 に草稿を提出する。
- 提出された草稿をランダムに配布して、匿名で相互批評 (赤ペンでコメント)。
- コメントを参考に書きなおして、6/26授業時 に提出。
- この最終稿が採点対象になる。
- 最終稿の内容によっては、書きなおしを指示することがある。
- 期末レポート:各自でテーマを選んで最終レポート
(いずれも現時点での予定なので、授業の進行状況などによって変更する場合があります。)
中間レポート、期末レポートとも、特によいものについては、著者の同意をえたうえで、
インターネット上で公開することを考えています。
昨年のものについては、
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2001/writing/
からたどれるようになっているので、参考にしてください。
- 中間レポート、期末レポートはいずれも採点したうえで 返却します。
- 毎回の課題・宿題は返却しません。
採点結果を知りたい場合は、個別に問い合わせてください。
授業の概要 (予定) 4/8現在
() 内は日程の目安ですが、授業の進行状況によって変更する可能性があります。
- この授業の概要
- なんの役にたつのか
- 説得の技法として
- 思考のエンジン (process writing)
- 参考文献・ソフトの紹介
- 各自の興味・文章執筆経験について調査
[4/10 提示資料 (PDF形式)]
[受講登録フォーム (PDF形式)]
- 論文全体の構成 (太字 は必須)
- 種別・表題・著者名・所属・日付
- 要約・キーワード
- 本文 (図表などをふくむ)
- 注
- 付録・資料
- 文献表
- 謝辞
- 表題のつけかた
- 本文の構成:序論−本論−結論
- 本論の基本形:仮説−材料と方法−分析結果 (事実だけを正確に伝える)
[4/17 提示資料 (PDF形式)]
- ブロック単位の書きかた
- パラグラフ (段落)
- トピックとパラグラフ
- わかりやすい文章とは
- 文は短く
- 「逆茂木」型を避ける
- 経過的多義性
- つなぎの言葉に注意
- 省略しない
- 視点を固定する
- 概念と用語
- 多義性とのたたかい (あいまいな単語、係り受けの問題、並列要素のあつかい)
- 飛躍のない文章
- 表と図のちがい
- 表と図の約束事
- 通し番号とタイトルをつける
- 文中では番号で参照
- 表のタイトルは上、図のタイトルは下
- 「それだけでわかる」ようにかく
- 下端に注釈をつける:単位・出典・原データなど
- 表と図の注意事項
- 箇条書き
- その他の「オブジェクト」:数式、フォーマルな命題、ブロック引用など
- 注のつけかた
論文の中心は、事実とそこから論理的に導き出した推論である
- 主体から独立した(=客観的実在としての) 事実
- 事実と意見をわける書き方が「科学っぽさ」の演出の基本
- 根拠のある意見
★中間レポート 相互批評
この段階での原稿を提出し、ランダムに配布して匿名で相互批評 (赤ペンでコメント)
→コメントを参考に書きなおして、6/26授業時 に提出
- 文献参照の目的
- 文献参照の種類:直接引用、間接引用、(狭義の) 参照
- 引用のルール:インライン引用、ブロック引用
- 書誌情報:本や雑誌を特定するには
- 灰色文献
- 文献表との対応づけ
- 「孫引き」について
- 情報をめぐる利害
- 秘密をまもる権利と義務:名誉とプライバシーの保護
- 経済的利益の保護:商標・特許・工業的デザインなど
- 著作権問題
- 引用の制限
- プライオリティの尊重
- 「差別表現」をめぐって
- テーマをしぼり込む
- 目標規定文
- 先行研究の探索
- メモ、スケッチ、構成表
参考文献、参考URL
論文の書きかた入門:
文章の書きかた (上級者向け):
- 清水 幾太郎、1959『論文の書き方』(岩波新書) 岩波書店、ISBN 4-00-415092-2。
- 梅棹 忠夫、1969『知的生産の技術』(岩波新書) 岩波書店。
- 野口 悠紀雄、1993『「超」整理法』(中公新書) 中央公論社、ISBN 4-12-101159-7。
- Howard S. Becker; 訳= 佐野 敏行、1993『論文の技法』(講談社学術文庫) 講談社、ISBN 4-06-159248-3。
- Mark Petersen、1988『日本人の英語』(岩波新書) 岩波書店、ISBN 4-00-430018-5。
- Mark Petersen、1990『続 日本人の英語』(岩波新書) 岩波書店、ISBN 4-00-430139-4。
- Donald E. Knuth + Tracy Larrabee + Paul M. Roberts; 訳= 有澤 誠、1989『クヌース先生のドキュメント纂法』共立出版。
- Mary-Claire van Leunen; 訳= 渡辺 昇一 + 永盛 一、1985『英語論文の書き方ハンドブック』南雲堂。
- 東大サバイバル英語実行委員会、1996『理系のためのサバイバル英語入門』(ブルーバックス) 講談社。
- 斎藤 美奈子、2002『文章読本さん江』筑摩書房、ISBN 4-480-81437-X。
諸規則に関する情報源:
- 日本社会学会編集委員会、1999
『社会学評論スタイルガイド』。
- ソシオロゴス編集委員会、1983「文献挙示の〈ソシオロゴス方式〉」『ソシオロゴス』7: 200-215、ISSN。
- 中村 健一、1988『論文執筆ルールブック』日本エディタースクール出版部、ISBN 4-88888-137-5。
- American Sociological Association、1997『ASA style guide』(2nd edition)、ISBN 0-912764-29-5。
- American Phychological Association、1997『Publication manual of the American Phychological Association』(4th edition)、ISBN 1-55798-241-4。
- Joseph Gibaldi: 訳= 原田 敬一、1998『MLA英語論文の手引き 第4版』北星堂書店。
- William Strunk, Jr. + E. B. White; 訳= 荒竹 三郎、1985『英語文章ルールブック』荒竹出版。
- University of Chicago Press、1993『The Chicago manual of style』(14th edition)、ISBN 0-226-10389-7。
- 日本エディタースクール、1987『校正技術』日本エディタースクール出版部。
- 日本エディタースクール、1987『標準 編集必携』日本エディタースクール出版部。
- 日本語のローマ字表記方式のいろいろ
(海津知緒)
- 松平 直濤、1995『コードが変える出版流通:ISBNのすべて』日本エディタースクール出版部、ISBN 4-88888-229-0。
辞書類:
- 大野 普 + 浜西 正人『類語国語辞典』角川書店、ISBN 4-04-012000-0。
文献検索:
→「現代日本論演習I」とくに「第2回 論文を探す」の資料も参照
[昨年度 (2001年度) の授業資料]
TANAKA Sigeto
(tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp)
Created: 2002-04-05.
Updated: 2002-08-06.
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