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URL: http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/writing/
作成:田中重人 (准教授)

現代日本論基礎講読「論文作成の基礎」(2010)

第2講 論文の基本形 (4/23)


[配布資料PDF版] [課題用紙PDF版]
[今回のテーマ] 学術論文を構成する諸要素について理解する

課題について

今回の課題

各自用意した論文について、課題用紙に情報を整理する。教科書 (特に pp. 35--50 と pp. 196--213) および配布資料を適宜参照すること。また周囲の人と積極的に意見交換すること。

授業時間内課題についての注意事項

授業の前半と後半にそれぞれ課題作成のための時間を設ける。授業時間内に完成させて提出すること。課題用紙は表面だけを使う。裏面には何も書いてはならない。

きれいな読みやすい字で書く。ことばの誤用や誤字がないよう注意する。辞典を参照することがのぞましい。

教科書と配布資料のほか、何でも参照してよい。ただし、何を参照したかをかならず書くこと。教科書については、参照したページを書く。

提出前にかならず誰かにみせて意見をもらうこと。意見をもらった相手と意見の内容を用紙下部の該当欄に書く。

用紙下部「教員宛メッセージ」欄には、授業に関する感想・質問・意見などを書く (採点対象外)。

提出された課題用紙は、(たぶん) つぎの回に返却する。修正の指示がある場合は書きなおして再提出すること (そのつぎの授業時または学期末)。修正の指示がないばあいも、書きなおして再提出してもよい (採点結果には影響しない)。いずれの場合も、書きなおし前のものと書きなおし後のものの両方を提出すること。

欠席・早退などで提出できなかった者は、後日提出してもよい (減点の対象になる)。なお、用紙は http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/writing/ から入手できる。


論文の構成要素

「雑誌」(journal) は「定期刊行物」(periodical) ともいう。一定の間隔で出版され、終わりが予定されていない出版物のこと。通常、出版順に通し番号 (巻数または号数) をつける。年単位で「巻」(volume) を順番につけ、そのなかで「号」(number/issue) を区別していることも多い。

表題その他

表題または標題 (title) …… 論文の内容を具体的に示すもの (教科書 p. 201)。主な表題のあとに副題をつけることも多い。

雑誌によっては、論文原稿の受理 (あるいは掲載決定) 日付を載せている場合がある (教科書 p.202)。

抄録 (abstract), キーワード (keywords)

抄録 (要約) は抄録誌・データベース検索用 (教科書 p.32, 209)。この授業ではあつかわない。

キーワードはデータベース検索用。

注 (note)

「註」と書くこともある。

文献表 (bibliography/references)

文中で参照した文献をすべて掲げる。通常、論文の末尾に置く。本文中では、著者 (年号) の形式で参照する (文献表の番号で参照したり個別にラベルをつける方法もある)

付録・資料・謝辞 (appendix, acknowledgement)


本文の階層構造

セクション (section)

内容のまとまりをしめすために、本文をいくつかのセクションに分割する。「章」「節」「項」などと呼ばれることもある。

セクションには番号と見出し (heading) をつける。表1のような2種類の様式がつかわれている。

セクション見出しの役割

本文中での 形式上 の位置づけを示す形式的な見出しと、そのセクションの内容について解釈枠組 (schema) を与える 実質的な見出しがある。

セクションの配列

(教科書 pp. 34--41, 202--205)

序論:

  1. 「読むべき」かどうかの判断材料
  2. 必要な予備知識の提供

本論:

内容にしたがってセクションに分割する。

実証研究の論文の場合は、つぎのようなかたちが基本:

結び (ない場合もある):

  1. 本論のポイントをまとめる
  2. 将来の課題を述べる

その他の基準

議論の対象によってわける場合
議論の水準 (抽象−具体) によってわける場合
「事実」と「意見」(教科書7章) をできるだけ別のセクションに分ける

閲読制度 (referee system)

審査, 査読, peer-review などとよばれることもある。

論文を雑誌にのせる基準:

専門家の審査 (review) で決める。

審査の手順:

閲読制雑誌の原著論文が論文の基本形 (教科書 p.196)


次回予告

次回は「パラグラフ」をあつかいます。教科書第4章 (pp. 58--74) を読んでおくこと。

また、次回の授業中に、パラグラフを組み立てる練習をします。そのための準備として、つぎにあげることばのうち、どれかひとつについて調べておいてください。


    ○コーパス       ○バリアフリー      ○ら抜き言葉
    ○言語権        ○著作権         ○FTA
    ○労働者派遣事業    ○隣接対         ○ポライトネス
    ○津波         ○形態素解析       ○クレオール

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TANAKA Sigeto


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