http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2014/readg/r140418.html
田中重人 (東北大学文学部准教授)
2014-04-18
参考:日本語教育学研究室「学生のための研究の手引き」 <http://www.sal.tohoku.ac.jp/nik/student/>
文献を特定するのに必要な情報を「書誌情報」(bibliographical information) という:
日本語教育学研究室の様式 (http://tsigeto.info/2013/writing/130625 または http://localnet/style/) では
著者 (出版年)「論文表題」『雑誌名』巻(号), pp. 掲載ページ.
のように書く。 たとえばつぎのようになる
渡辺雅子 (2001)「説明スタイルの日米比較:初等教育に見る異文化の意味」『社会学評論』52(2), pp. 333--347.
もし雑誌を区別するために発行元の情報が必要なら、巻号とページの間に入れる
朴承圓 (2002)「不満表明場面における一人称「私」の使用をめぐって」『文化』65(3/4), 東北大学文学会, pp. 323--342.
雑誌に関する重要な情報は、たいてい表紙にある(まれに表紙裏にあることも)
複数の号数やページ付けが共存していることがある。その場合、つぎの基準で選択する:
論文を同定 → 当該雑誌の所在をしらべる → その雑誌 (のその号) を入手する
教科書 (人文社会科学編 1.2 節) 参照
国立情報学研究所「論文情報ナビゲータ」(CiNii: http://ci.nii.ac.jp) のサイトで、つぎの論文を同定する。その書誌情報を、日本語教育学研究室の様式にしたがって清書する。
野江啓一「理性の外部としての異界」
この論文を掲載している雑誌 (の当該の号) がどこにあるかを東北大学附属図書館サイトで検索する (http://tul.library.tohoku.ac.jp) 。
NII 論文情報ナビゲータ (Citation Information by National Institute for Informatics) http://ci.nii.ac.jp
国立情報学研究所 (NII) による論文検索用統合サービス。下記の4つのデータベースの複合体である (http://ci.nii.ac.jp/info/ja/cinii_db.html) 。 → 教科書 (人文社会科学編 p. 32)
検索は無料で、だれでも利用できる。抄録や本文などにアクセスできる論文もある (抄録・本文の閲覧は有料の場合と無料の場合がある)。
「ヘルプ」から、以下のことを調べてみよう:
検索結果は、通常は
の順に表示される。情報が欠けている場合もある。抄録などが表示される場合もある
論文名のところはリンク情報になっており、クリックすると詳細が表示される。
全文ファイルがある場合は、全文ファイル (PDFなど) へのリンクが表示される。有料の場合、支払手続きが必要である (クレジット・カードも利用できる)。
他のデータベースの情報へのリンクがある場合もある。
そのほか、つぎのようなアイコンから各種のデータベースでその論文/雑誌の情報を探せる:
左端の □ にチェックを入れた論文の情報をダウンロードすることができる。右欄の「書き出し」から「TSV形式」の情報を保存 (または「標準のアプリケーションで開く」) して、表計算ソフトに取り込むのがいちばん簡便。「Refer/BibIX形式」の情報は文献管理専用ソフト用。
日本国内で出版された出版物は、国立国会図書館におさめなければならないことになっている。この制度にしたがって納本された雑誌の論文・記事について、著者名・論文名・キーワード・年次などから検索できる。くわしくは http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_select.html 参照。 http://opac.ndl.go.jp から「雑誌記事索引の検索/申込み」をたどると、単独で利用できる。
学会や大学・研究機関が出版する学術雑誌について、各機関で入力したデータベース。最低限の書誌データしか入っていないものから、全文のPDFファイルが読めるものまである。英語の情報ももっていることが多い。 各学会等で入力しているので、品質のばらつきが大きい (入力ミスが多いものもある)。
学会や大学・研究機関が出版する学術雑誌のうち、電子化されているものについて、国立情報学研究所でまとめて公開しているもの。
自然科学分野の学術論文について、文献表に記載されたデータを入力したデータベース。入力の精度はきわめて低い。
CiNiiの検索結果に「OPAC」というアイコンが付いている場合、それをクリックすると東北大学附属図書館の所蔵検索ができる (東北大学内からのアクセスの場合のみ)。
東北大学附属図書館のサイト (http://tul.library.tohoku.ac.jp) で直接検索することもできる。 ISSN などをひかえておいて、それでひくとよい。雑誌名で検索するときは、詳細検索で検索対象を「雑誌」に限定したり、フィールドを「書名 (完全形)」に限定したりすると、ヒット数を減らせる。
「学外」にチェックを入れておくと、東北大学図書館内にない場合には、学外まで所蔵を検索してくれる (Webcat による)。くわしくは、教科書 (基本編3章) を参照。
附属図書館 OPAC で見つからない場合 (冊子体が学内にない場合) でも、電子化バージョンにアクセスできるケースがある。 http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/src/index.php/jnl.html から探してみるとよい (学内限定)。
電子ジャーナルはふつうの冊子体とは利用マナーが違うので、 不正利用に関するFAQ をよく読んでから使うこと。特に、 雑誌全体をブラウズすることは認められていない ので、注意。
くわしくは、教科書 (基本編4.4節) を参照。
附属図書館 OPAC で検索するときに「学外」にチェックしておく。または、CiNii Books 検索: http://ci.nii.ac.jp/books (by 国立情報学研究所)。 いずれの場合も、NACSIS ID を控えておく (AN10091189 のようなやつ)
- [例題] つぎの雑誌の所蔵を調べてみよう:『論叢クィア』2
大学等の研究機関での研究成果を集めてインターネット上で公開する「機関レポジトリ」が整備されつつある。教科書基本編 p.139 を参照。また、研究者個人や学会のサイトで論文のファイルが公開されていることも多い。
これらのファイルを検索するには、現在のところ、Google Scholar http://scholar.google.com がいちばん便利である。
機関レポジトリなどの収録ファイルを見るときは、 雑誌に掲載された論文と同一のものであるか に注意すること。 (しばしば、投稿前の原稿や、出版後に加筆したものを収録していることがある)
電子化バージョンにアクセスできれば、そのまま印刷するのが簡便
東北大学図書館では オンラインでの複写・貸借申し込みサービス も行っているので、それを利用してもよい。教科書 付録7「相互利用サービス」および基本編 pp. 11--12 のMyLibrary の説明を参照。
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