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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2019-05-17
現代日本学演習I「質問紙調査の基礎」
第3講 調査対象者と調査方法
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
対象者の選定と調査の方法
レポートについて
課題
各自の関心にしたがって調査を企画、質問紙を作成し、調査を実施して報告書を作成
- 有効回収数20以上
- 原則として、印刷・製本した質問紙を使った調査とするが、特殊な調査法を使いたい場合には、田中まで相談
スケジュール
- 調査企画について面談 (4月下旬)
- 企画書提出 (5/24)
- 調査企画と質問紙について討論 (5月下旬)
- 各自で調査実施
- 各自の調査 (結果) について報告 (7/12?)
- レポート提出(8/14 締切)
- 講評と返却(9月5日以降)
企画書について
各自の調査について「企画書」を作成して次回提出
- A4用紙1枚程度
- 調査の目的、対象者、配布・回収等の方法、参考にした既存調査と先行研究についてまとめること
今回の課題
自分の関心にしたがって、対象とする人々の範囲、検証すべき仮説、収集すべき情報を考える。用紙にまとめて提出。
なお、自分の関心が絞り込めない場合は、たとえばつぎのような課題についてとりあえず考えてみるとよい。
- いわゆる「バイト敬語」についての人々の意識
- 自分の出身地の方言の使用状況
- 大学生の進路選択と両親とのコミュニケーションとの関係
調査の企画にあたって注意すべき事項
- 誰を対象とするか (母集団: population)
- 検証すべき仮説
- どのような情報を収集するか
これを具体化して、次のようなことを決めていかなければならない
- 調査で接触する対象者 (標本: sample) の抽出方法と人数 (sample size)
- 仮説検証のために必要な項目と測定・分析の精度
- 調査方法、個々の質問項目と回答選択肢、分析の方法
制約条件として日程、人手、費用などを考慮して、実現可能な企画を立てること。
母集団と標本
「母集団」(population) の3つの意味 (教科書7章)
- 興味の対象となる人や事物の全体(理論母集団)。通常、非常に巨大で、境界のあいまいな、漠然とした集団
- 調査の対象としたい具体的な範囲(調査母集団)。教科書ではこの意味
- 標本を抽出するための名簿(標本抽出枠)に載っている全個体
「標本」(sample) とは
- 母集団から抽出した対象者のことをいう
- 調査の結果、標本の一部からしかデータが集まらないのが普通である。この点を明確にするため、本来の意味での標本を「計画標本」、有効なデータのみの集合を「有効標本」と呼びわけることがある。
無作為抽出 (random sampling) とは、すべての個体をおなじ確率で抽出するものである。これは推測統計手法を使う際の前提となるものであるため、非常に重要。
ただし、無作為抽出がおこなわれるのは、標本抽出枠から計画標本の抽出のところだけである。また、完全な無作為抽出をおこなうのはむずかしい。
- →
しかし、できるかぎり無作為抽出にちかい標本を得るように考えることが大切
調査の方法
調査の実施 (「実査」と呼ぶことがある) にあたって重要なポイント (教科書1--3章、5章、8章)
- 配布の方法
- 回答の方法
- 回収の方法
- 調査員の関与の程度
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