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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2020-11-13
現代日本学演習IV「調査的面接の基礎」
第3講 対象者の選びかた
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
調査計画と対象者の選定
前回課題について
相手との関係とラポールの形成
聞き手の役割
- 話題の展開と時間配分を適切に制御する
- 答えの
内容
を誘導しない
- しかし、関連する話題や具体例を引き出すよう適切な発問を
- さまざまなあいづちや応答の表現を用意しておく
- 相手のしゃべりたそうなことを多くしゃべってもらうといいことが多い
- 不正確な内容についてどう確認するか (その場で聞き返すか、しばらく待つか)
- スピーチ・レベル (speech level) の選択 →不自然にならない範囲でフォーマルに
トランスクリプトについて
- 「ターン」(turn) で分けるのが基本。あいづちや重なった発話は適宜表記を工夫する →会話分析
- 自分用の資料だと考えてよい →自分の記憶を正確によびだせるように書く
- あきらかないいまちがい、方言、特殊な符丁などについても、そのとおり書く →必要なら注釈を
- トランスクリプトだけを読んだ人とは解釈がくいちがうことがありうる →レポートに載せるときの根拠の書きかた
- 対象者の氏名や、具体的すぎる固有名詞は伏せる
- 多言語の場合の書きかた
今回の課題
この授業のレポートを作成するための面接調査について、どのような対象者を、どのようにして、何人集めればよいか考える。実際のスケジュールや、自分がどの程度の労力を割けるかを考慮して、具体的に考えること。
対象者の選定
「無作為抽出」(random sampling)…… 対象となる「母集団」(population) のなかのすべての個体が
同じ確率で
選ばれる。面接などの質的 (qualitative) 調査では無作為抽出はあまり使わないが、基準として意識しておく必要はある。
実際には……次の条件を考慮して、対象者を決める:
- 調査可能な人数 (時間と労力の制約)
- 集めることのできる集団あるいはネットワーク
- 分析の鍵となる属性など (いくつかのグループに分けて、それぞれ複数の対象者を確保)
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