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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2021-10-14

現代日本学各論III/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」

第1講 法と規範


[配布資料PDF版]
[テーマ] 日本の法律のつくられかたと探しかた

例題

新型インフルエンザ等対策特別措置法 (2012年法律第31号) などの2021年2月3日改正について調べる:

たぶん、参議院のほうの「議案情報」を先に見ると、いきさつがつかみやすい。

成立した法律: 「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律」(2021年法律第5号)

『官報』2021年2月3日 (特別号外8号) に掲載されている:

最初の「本号で公布された法令のあらまし」をまず読むとよい (これだけでもすごく長い)。法律本体は5ページ下側から。

法律の条文のどこをどう変えるかが延々と書いてある、というイメージをつかむこと。


法律・政令等を探すときの基礎知識

法律の名称と略称、法令番号について

例: 育児・介護休業法 = 1991年に「育児休業等に関する法律」(1991年法律第76号) として成立、5月15日に公布

法律の「改正」とは → 「〇○を改正する法律」によるパッチワーク

例: 「育児休業等に関する法律の一部を改正する法律」(1995年法律第107号) → 題名を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に変更 (1995年6月9日)

成立した法律は『官報』(国立印刷局) に掲載される。これをもって法律が「公布」されたことになる。 (今はインターネットで読める。)

官報を1か月分まとめて製本したのが『法令全書』である (https://www.npb.go.jp/ja/books/hourei_shokuin.html) 。

制定当時の条文とその後の改正をすべてあわせて読むと現行法が再現できることになる。これをいちいちやるのは面倒なので、改正法を「溶け込ませた」形の最新の条文が提供されている

立法・改正の経緯は「日本法令索引」でたどれる:

大学内では第一法規のデータベースが使える。「現行法規 履歴検索」で各改正時点での条文を表示したり、2時点間のちがいを比較する機能がある。

学外からの利用の場合、VPN接続を利用する必要がある。 http://www.library.tohoku.ac.jp/search/ejournal/remote2.html を参照。


宿題

2016年6月7日の「民法の一部を改正する法律」(2016年法律71号) について調べる。

  1. この「民法の一部を改正する法律」を探して、全文をコピーする (ただし附則は不要、本文だけでよい)。
  2. この改正によって、民法の規定のどこがどう変わったかを考える。
  3. なぜこのような改正がおこなわれたのか、背景について調べる。

提出期限は 10月27日 (水) 正午

【来週は休講です】


文献


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