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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2021-11-25
現代日本学各論III/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」
日本の政府統計情報を一括して提供するサービス。 2008年開始。現在では、多くの政府統計がこの e-Stat サービスで利用できる。
ただし、データは必ずしも使いやすくない。データの作成は各省庁にまかされているので、形式がまちまちである。おなじ統計なのに年次によって形式がちがうこともある。また、調査についての説明や注意事項がほとんどないので、それらについては、担当している省庁のサイトや調査報告書をみる必要がある。
e-Stat が提供する統計データはおおきく2種類にわかれる:
将来的には後者の形式に統一されていく方向であるが、現在は両者が混在している。両方が提供されている統計もあるし、片方だけの統計もある。
いずれの形式も、各省庁が作成してきた報告書に掲載する表の内容を基にしてできていることが多い。報告書をみて、どのような表が並んでいるかを理解しておくとよい。
日本国内に居住する全員について、人数と各種属性、世帯の状況などを調べる調査。 1910年にはじめておこなわれた。それ以降、基本的に5年に1度おこなわれている。この調査が、日本の人口を数える基本的な資料になっている。 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/ 参照。
人口について研究する学問を「人口学」と呼ぶ。狭い意味では、人口やその変動をとらえるための理論をあつかう「形式人口学」(formal demography) だけを「人口学」と呼び、人口に関わる具体的な諸問題をあつかう「人口研究」(population studies) と区別することがある。
ある時点での人口を、左が男性、右が女性、下が若年、上が高年齢になるようにして、グラフにあらわしたもの。年齢構造の特徴をひと目で把握できる。
現代日本では、どの年齢層が多く、どの年齢層が少ないか? それはどのように変化してきたか?
人口増加 = 自然増加 + 社会増加 = ( 出生 − 死亡 ) + ( 流入 − 流出 )
現代日本社会では、国際移動による増減はそれほど大きくない。日本全体の人口の変動は、大部分は自然増加で決まると考えてよい。すなわち、出生数と死亡数の差である。
出生コーホート (birth cohort)……おなじ年に生まれた人々を指す。単に「コーホート」と呼ばれることも多い
- ※ 「コーホート」とは、おなじ時期におなじ出来事を経験した人々の集団をいう。
近代化にともなって、死亡率が低下し、出生率が下がる。この結果として、近代社会は、
多産多死 → 多産少死 → 少産少死
という変化を経験する。この変動のことを「人口転換」と呼ぶ。
総務省統計局「統計ダッシュボード」の「人口ピラミッド」 <https://dashboard.e-stat.go.jp/pyramidGraph?screenCode=00570®ionCode=00000&pyramidAreaType=2> から、1920年、1970年、2020年のグラフを見て、各年の特徴を説明せよ。全体的な形状のほか、こまかい部分の特徴についても観察すること。
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