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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2021-11-26
現代日本学演習IV「調査的面接の基礎」
第4講 シナリオの作成
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
各自の調査に向けたシナリオの作成
面接実習結果について
相手との関係とラポールの形成
聞き手の役割
- 話題の展開と時間配分を適切に制御する
- 答えの
内容
を誘導しない
- しかし、関連する話題や具体例を引き出すよう適切な発問を
- さまざまなあいづちや応答の表現を用意しておく
- 相手のしゃべりたそうなことを多くしゃべってもらうといいことが多い
- 不正確な内容についてどう確認するか (その場で聞き返すか、しばらく待つか)
- スピーチ・レベル (speech level) の選択 →不自然にならない範囲でフォーマルに
トランスクリプトについて
- 「ターン」(turn) で分けるのが基本。あいづちや重なった発話は適宜表記を工夫する →会話分析 (樫村 2010)
- 自分用の資料だと考えてよい →自分の記憶を正確によびだせるように書く
- あきらかないいまちがい、方言、特殊な符丁などについても、そのとおり書く →必要なら注釈を
- トランスクリプトだけを読んだ人とは解釈がくいちがうことがありうる →レポートに載せるときの根拠の書きかた
- 対象者の氏名や、具体的すぎる固有名詞は伏せる
- 多言語の場合の書きかた
今回の課題
自分の面接調査に向けたシナリオを作成する。最初に研究の目的、仮説を書くこと。
シナリオを書く上で注意すること
- 仮説を検証するのに必要なことは何か
- 話を理解するために前もって聞いておくべきこと (状況によっては調査票などを用意)
- なるべく具体的な事例をたくさん聞く
- 対象者との人間関係を築くために必要なこと
- 自己紹介、調査趣旨の説明、録音することの許可
- 時間配分
- 相手の答による枝分かれ
今後の進めかた
教員と相談しながら各自の計画を確定させ、実施すること。
12月24日までにすくなくとも1人分のトランスクリプトができていることがのぞましい。
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