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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2021-12-03

現代日本学演習V「実践的統計分析」

第7講 符号検定


[配布資料PDF版]
[テーマ] 対応のある項目間の比較

変数間の関連と比較

とりあえず、平均値を並べて比較するには:

PSPP では「分析」→「記述統計量」→「記述統計量」で多くの変数の平均値 (と標準偏差) を並べて出力できる。


「対応」とは

同一ケースが複数の項目に回答している場合、 項目間に「対応」がある という。

このような項目の比較には、対応を考慮した分析法を使う必要がある。


例題: つぎのような 3ケース×2変数 のデータについて、どちらの変数が大きくなる傾向にあるかを考えてみよう:

             変数A    変数B    差
   ケースX     4   -   5    =
   ケースY     3   -   4    =
   ケースZ     5   -   1    =

   平均値

   多数決をとると?

このように、ケース間の 異質性が大きい 場合は、対応を考慮して分析しないと、データの特徴をつかみそこねる可能性がある。


ふたつの変数での大小の比較

例題

問27について、「B. 高い収入」 vs. 「D. 家族からの信頼・尊敬」 …… どちらが大切?

B>D の人と B<D の人のどちらが多いか?

クロス表を出力して数えてみよう (セルに「合計」のパーセントを入れるとよい)。

これら2つ以外に B=D の人がいるから、これをどうあつかうかが問題になる。

符号検定

「符号検定」(sign test) とは…

  1. A = B のケースを除外
  2. 帰無仮説:「母集団では同数」(=50%)
  3. 正規分布を利用して検定をおこなう
この考えかたは、比率の区間推定とおなじものなので、比率 ± 臨界値×標準誤差 で信頼区間を求めていると考えてもよい

PSPPコマンド


課題

適当な2変数について、符号検定を行う。クロス表 (または相関図) も出力して、結果を解釈すること。


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