http://tsigeto.info/2023/writing/w231222.html
田中重人 (東北大学文学部教授)
2023-12-22
「表」(table) と「図」(figure) はつぎのように区別する
表はこまかい情報を正確に伝えるのに適している。 図はデータの傾向や全体像をみせるのに適している。 ただし、「おなじデータを図と表の両方で示すことは〔……〕許されない」 (教科書 p. 206) ので、どちらか適切なほうをえらぶこと。
表と図は、ページのなかの適当な場所 (ふつうは上端または下端) に配置する。文章との関係が固定されておらず、 ページ割りの都合によって前後に移動するので、「フロート」(float) と呼ばれることがある。本文との間には必ず1行以上の空白を入れて、視覚的に区別できるようにする。表や図はセンタリングする。
表や図には、番号と見出し (caption) をつける。
表・図の中の文字サイズは、 本文よりも1段階小さいものを使う。一行に収まらない等の場合は順次小さい文字にして、体裁を整えること。
表や図は、「それだけを見ればわかる」(教科書 p. 206) ように書くこと。図・表の読みかたやデータの出所など、 必要なことを図・表の下端に書いておく。
文献を引用・参照する際には、読者がその文献をまちがいなく同定できるだけの情報をあたえる。図書館を利用して同定するのがふつう。ほとんどの図書館でオンラインの蔵書目録検索サービスが使える。
図書館には相互に貸借・複写をおこなう仕組み (Interlibrary Loan: ILL) がある。文献が同定できれば、ほかの図書館から取り寄せることができる。(附属図書館の「リファレンス・カウンター」またはオンラインの「MyLibrary」で申し込む)
図書館で同定・入手することがむずかしい文献を「灰色文献」(gray literature) という。
おなじ情報が本や雑誌にのっているなら、そちらを参照すること。図書館蔵書目録で探しやすいものを選択するとよい。
論文・レポートにおいて参考にした文献については、どのように参考にしたのかを明確にし、必要であれば引用をおこなう。末尾に文献の一覧を掲げる。
文献一覧をどのように書くかについては、さまざまな様式がある (ならべるべき要素、要素の配列順、記号の使用法など)。それぞれの分野での様式にしたがうこと。この授業では、現代日本学研究室の卒業論文・修士論文様式を推奨する。
別紙資料の文献表はどのような仕組みで書かれているか? つぎの点に注意して解読してみよう。
次の文献について、ルールにしたがって文献表を作成する。次回の授業開始時までに、Google Classroom のストリームにアップロードしておくこと。
末尾に文献表 (すくなくとも5本) がのっている雑誌論文をひとつとりあげ、そこにのっているすべての文献について同定する。その本や雑誌の当該号がどこの図書館に所蔵されているか、というところまでわかればよい。結果についてつぎのことをまとめて、1/4 (木) 正午までに提出。
期末レポートの構成は以下のとおり:
テーマは、各自の興味に則って決める。ただし、時間的な制約の中で、きちんと先行研究にあたった上でオリジナルな内容を盛り込めるテーマでなければならない。大きな研究につながるようなテーマの中で、できるだけ小さい範囲にしぼりこむのがよい (教科書 pp. 13--21)。
先行研究を探すには、詳しい人(教員や大学院生など)に聞くか、入門書・概説書を探すかして、基礎的な情報をまず仕入れるのが常道である。たとえば、その分野の常識的な知識、基本的な用語、既存の論争や学派の違いなど。この段階では、図書館よりは書店のほうに分がある。初学者・一般読者向けの雑誌がある分野では、そのバックナンバーに目を通すのもよい。
その上で、網羅的に文献を探してみること。解説書などの文献表から「芋づる」式に探したり、文献データベースを利用する。図書館のサービスを活用すること。
表題は、内容を具体的に示したものでなければならない。内容に関する情報を詳しく載せるほうがよいが、一方で短いほうがよいというトレードオフ関係がある。副題を活用するなどして、簡潔でわかりやすい表題を工夫する。
表題の例:
キーワードは、本来はデータベースでの検索用である。論文の内容を端的に表すことばを3--5個程度えらぶ(通常は、表題にふくまれていないことばをえらぶ)。
キーワードの例:
論文の末尾に「文献」というセクションを設け、引用・参照した文献 (2本以上) をそこにすべて掲げる。
草稿を読んでコメントしてもらったり、内容に関する改善を助けてもらうなど、執筆にあたって便宜を図ってもらった人への謝辞を最後に書く。何について感謝するのかを明確に書くこと (教科書 p. 208)。必要なら、所属を括弧書きでつける
謝辞の例:
下記のような様式で構想報告書を作成し、1/4 (木) 正午までに Google Classroom に提出。
氏名: 学年: 学籍番号: 1. 表題 (仮): 2. 目標規定文: 3. これまでに収集した資料の一覧: 4. 資料収集と執筆にあたっての問題点 (こういう文献がみつからない、など)
期末レポートを書くにあたって、構想報告書以降の執筆の経過をまとめる。
2/6 (火) 17:00 までにGoogle Classroomに提出
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