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田中重人 (東北大学文学部教授) 2023-10-12

現代日本学各論III/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」

第1講 法と規範


[配布資料PDF版]
[テーマ] 日本の法律のつくられかたと探しかた

例題

民法 (1896年法律89号) の2016年6月7日改正について調べる。

参議院のほうの「議案情報」を先に見ると、いきさつがつかみやすい。

成立した法律: 「民法の一部を改正する法律」(2016年法律71号)

『官報』2016年6月7日付 (特別号外126号) に掲載されている:

法律の条文のどこをどう変えるかが延々と書いてある、というイメージをつかむこと。


法律・政令等を探すときの基礎知識

法律の名称と略称、法令番号について

例: 育児・介護休業法 = 1991年に「育児休業等に関する法律」として成立、5月15日に公布 (法律76号) <https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000077287>

法律の「改正」とは → 「〇○を改正する法律」によるパッチワーク

例: 「育児休業等に関する法律の一部を改正する法律」(1995年6月9日公布、法律107号) → 題名を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に変更 (1999年4月1日施行) <https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000081334>

成立した法律は『官報』(国立印刷局) に掲載される。これをもって法律が「公布」されたことになる。 (今はインターネットで読める。)

『官報』掲載内容を1か月分まとめて製本したものが、『法令全書』として出版されている: (https://www.npb.go.jp/ja/books/hourei_shokuin.html) 。

制定当時の条文とその後の改正をすべてあわせると、現行法が再現できることになる。これをいちいちやるのは面倒なので、改正法を「溶け込ませた」形の最新の条文が提供されている

立法・改正の経緯は「日本法令索引」でたどれる:

大学内では第一法規のデータベースが使える。「現行法規 履歴検索」で各改正時点での条文を表示したり、2時点間のちがいを比較する機能がある。

学外からの利用の場合、VPN接続を利用する必要がある。 http://www.library.tohoku.ac.jp/search/ejournal/remote2.html を参照。


宿題

2022年12月16日の「民法等の一部を改正する法律」(法律102号) について調べる。

  1. この「民法等の一部を改正する法律」の全文は、どこで見られるか (データベースでの特定方法やURLなど)
  2. この改正によって、民法の規定のどこがどう変わったか
  3. 改正部分が実際に適用されるのは、いつからか
  4. なぜこのような改正がおこなわれたのか

提出期限は 10月18日 (水) 正午


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