田中 重人 <http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/>編集= 辻村 みよ子 + 河上 正二 + 水野 紀子. 2008. 『ジェンダー法・政策研究叢書12 男女共同参画のために: 政策提言』(東北大学出版会) 第16章 (pp. 283-301)
(東北大学大学院文学研究科)
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保育所などのいわゆる「両立政策」が共働き優遇だと批判される問題について,つぎのことを主張する。(1) 両立政策とは雇用・家族制度の問題点を制度の根本的改革なしに封じ込める政策である。(2) ライフスタイル中立的でないのはその背景を考えれば当然の帰結である。(3) 短期間に効果があがるならライフスタイル非中立性という副作用にも正当化の余地がある。(4) しかし統計資料によれば両立政策は効果をあげていない。(5) 今後とも効果があがらないなら,両立政策を放棄し,根本的な改革の方向に転換すべきだ。(6) この意思決定のために統計の整備と数値目標の設定が必要である
内部労働市場特権, 家族, 離婚, 保育所, メリトクラシー, 衡平
本章の草稿に対しては,水町勇一郎教授(東京大学)はじめ,COEプログラム「男女共同参画社会の法と政策」参加のかたがたから有益な助言をいただいた。
東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センターSSJデータアーカイブからは,「第2回全国家族調査」(日本家族社会学会全国家族調査委員会)の個票データの提供を受けた
本章は,科学研究費補助金 (若手研究(B))「カップル単位意思決定の下でのジェンダー平等」(研究課題番号17710205) による研究成果の一部である。
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