NFRJ-08Panel 第1波〜第5波回収の状況
田中 重人
<http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/14b.html>
(東北大学大学院文学研究科)
家族社会学研究. 26(2):165-168 (2014)
- Title: NFRJ-08Panel 第1波〜第5波回収の状況 || Survey Responses for the NFRJ-08Panel, Waves 1-5
- Author:
田中 重人
|| TANAKA Sigeto
- Journal: 家族社会学研究 || Japanese Journal of Family Sociology
- Publisher:
日本家族社会学会
|| Japan Society of Family Sociology
- Volume: 26 (Number 2)
- Pages: 165-168
- Category:
NFRJ (全国家族調査) レポート
|| NFRJ Reports
- Date: 2014
- Language: JPN
- ISSN:
0916-328X
- NCID:
AN10092691
- URI:
{http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/14b.html}
- Short URL:
{http://tsigeto.info/14b}
- ReMCat:
{2014:0916328X:26:165}
- Blog entry:
{http://b.tsigeto.info/255}
要旨
「全国家族調査パネルスタディ」(NFRJ-08Panel) は2013年に第5波の調査をおこない、すべての調査計画を終えた。調査の概要は報告書 {NCID:BB15480829} に記されている。本稿では、この NFRJ-08Panel について、第1波から第5波までの回収状況を概観する。
I. NFRJ-08Panel 各波の回収状況:
有効な回収票数は、第2波 (2010年) では1622、第3波 (2011年) では1555、第4波 (2012年) では1515、第5波 (2013年) では1594。ただし、いちばんすくない第4波でも、1500以上の有効回収票を確保している。
II. 回収状況の詳細と有効回収率:
第2-5波の4回すべてが有効回答だった対象者が1317人。有効回収3回が217人、2回が123人、1回が121人、0回 (1度も有効回収できなかった) が101人。{NFRJ08} (2009年) のサンプル9400人を基準として評価すると、NFRJ08 調査時に5203人、パネル調査への協力依頼時点で3324人が脱落。パネル第2-5波の調査 (2010-2013年) では、有効回収数は1515人から1622人なので、脱落は364人から257人。調査対象として抽出した9400人のうち、すべての調査について有効な調査票が回収できた者の比率は14.0%。
III. 第1波と第5波の配布・回収方法:
{NFRJ08} 全体では、通常の方法(密封しない状態)での調査員による調査票回収が87.4%、密封による回収が11.0%、郵便による回収が1.6%であった (NFRJ08第1次報告書 {NCID:BB02272294} p. 36)。{NFRJ-08Panel} 第2-5波に一度でも有効な回答を返した対象者だけに限定して第1波回収方法をみると、通常の方法が91.0%とNFRJ08全体の比率より高く、密封による回収がすくない。NFRJ08回答者のなかで、プライバシー等の問題を気にして密封等による回収を選択した人のほうが、パネル調査に協力しにくい傾向にあった可能性がある。
表
- 表1:
各調査の回収状況
- 表2:
第2波−第5波の回収状況の詳細
- 表3:
第1波の回収の方法
- 表4:
第5波の配布・回収の方法
文献
- 稲葉昭英, 2010, 「NFRJ08 のデータ特性: 予備標本・回収率・有配偶率」『家族社会学研究』22(2):226-31. {doi:10.4234/jjoffamilysociology.22.226}
- 三輪哲, 2012, 「NFRJ-08Panelにおける脱落とデータ調整」『家族社会学研究』24(1): 97-102. {doi:10.4234/jjoffamilysociology.24.97}
- 永井暁子, 2010, 「NFRJ08 回答者の基本属性」『家族社会学研究』22(2): 232-7. {doi:10.4234/jjoffamilysociology.22.232}
- 日本家族社会学会全国家族調査委員会, 2010, 『第3回家族についての全国調査 (NFRJ08) 第一次報告書』. {NCID:BB02272294}
- 日本家族社会学会全国家族調査委員会, 2014, 『全国家族調査パネルスタディ(NFRJ-08Panel) 報告書』. {NCID:BB15480829}
- 菅澤貴之, 2013, 「NFRJ-08Panel 第5波調査票の特徴: 革新的な家族パネル調査データの構築を目指して」『家族社会学研究』25(2): 161-6. {naid:40019866577}
- 田中重人, 2009, 「NFRJ08 標本抽出と調査実施」『家族社会学研究』21(2): 208-13. {doi:10.4234/jjoffamilysociology.21.208}
- 三輪哲, 2014, 「NFRJ-08Panel におけるウェイトによる脱落への対処」『家族社会学研究』26(2): 169-178. {2014:0916328X:26:169}
履歴
この論文は、NFRJ-08Panel 報告書の I-5節「回収状況」を改訂したものです:
表1, 3, 4 にあたるデータは、この旧バージョンにも含まれています。
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