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URL: http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2012/family/f120629.html
田中重人 (東北大学文学部准教授)

東北大学 文学部「現代日本論概論」2012年度

第8講 人口と家族 (3): ライフサイクルの変化 (6/29)


[配布資料PDF版] [課題用紙PDF版]
[テーマ] 近年のライフサイクルの変化

前回宿題について

「国勢調査」について

「国勢調査」は、日本に常住する者全員を対象とした調査。西暦年で5の倍数の年におこなわれる。世帯単位で記入するマークシートの調査票で情報を収集している。

男女別1歳刻みの人口の2000年のデータは、総務省統計局 (2001)『平成12年国勢調査報告 第2巻 その1 全国編』第3表にある。『平成12年国勢調査最終報告書 日本の人口 資料編』第16表をみてもよい。

「人口動態統計」について

政府に提出される各種の届出 (出生届、死亡届、転出・転入届、出入国管理、婚姻届、離婚届……) にもとづいて集計・公表される。官庁の日常的な業務のなかで出てくるデータを集計したものなので、「業務統計」と呼ばれ、統計のために調査をおこなう「調査統計」と区別される。

母親の年齢 (1歳刻み) 別の出生数のデータは、厚生労働省『平成12年度人口動態統計 中巻』第7表からわかる。ただし、分母にあたる年齢別女性人口のデータが『人口動態統計』中には出ていない (上巻巻末の「基礎人口」には5年刻みのデータしかない)。→ 国立社会保障・人口問題研究所 (2001)『人口問題研究』57(4), p. 72 の表4 がいちばん正確な資料のようである (別紙)。

国籍のあつかい

「国勢調査」は、国籍にかかわらず「日本に常住する者」全員を対象とした調査であり、基本的には全員分の人口データが集計されている。特に必要がある場合には、「外国人」と「日本人」を別に集計した表もある。

これに対して、「人口動態統計」で計算されている各種の人口指標は、「日本に居住する日本人」についてのものである。公表される『人口動態統計』は、最近は3巻セットになっており、外国人のデータは下巻にまとめられている。


今回の課題

1970年代以前の日本人はなぜ高い確率で結婚していたのか。教科書などを参考にして、現在の日本社会とのちがいについて考察せよ。

参考になりそうな章: I章(3), III章(4,5,7,10,12), IV章(1), V章(6), VI章(1--4), X章 (2)

結婚をめぐる規範


イエ制度のもとでの結婚


個人の合理的意思決定としての結婚

結婚することのメリットは何か? → 家族の経済学


結婚と生活保障システム


寿命の伸びとライフサイクルの変化

ライフサイクル (life cycle): 生命をもつものの一生の生活にみられる規則的な推移 (森岡清美・塩原勉・本間康平編(1993)『新社会学辞典』有斐閣)。これを拡張して、親族の集団がどのように世代間で周期的に再生産されるかを指す用法もある。

戦後の寿命の伸長は、日本人のライフサイクルにどのような変化をもたらしたか? (→教科書 p. 144)


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