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田中重人 (東北大学文学部准教授)

現代日本論概論「現代日本における職業」東北大学 文学部 (2012年度 第4セメスタ)

第7講 社会階層と職業


[配布資料PDF版] [課題用紙PDF版]
[テーマ] 階級・階層論の基本概念

課題

別紙 (橋本, 2003) で使われている「階級」の分類はどのような仕組みになっているか?


階層とは

社会的資源 (social resources): 人々の欲求の対象である希少な財

「希少」(scarce) とは、資源が全員に十分に行き渡るほどには存在しない状態を指す。

(社会) 階層: 社会的資源の保有状況による人々の序列または区分

区分された個々のグループ (stratum) をさすことも、序列化・区分された状態そのもの (stratification) をさすこともある。後者の意味では「階層構造」または「成層」ということばを使うこともある。

序列の基準となる「社会的資源」は、いろんなものをふくみうる。ただし、実際の研究においては、職業的地位またはそれに付随して分配される社会的資源 (賃金や威信など) が重視されてきた。

教育・職業の領域における競争と闘争
家族や政府を通じて分配される社会的資源は?

階級とは

経済の仕組みから不平等を説明するのが「階級論」である。

生産手段 (means of production): 経済活動に使われる手段のうち、労働以外のもの
階級 (class): 生産手段の保有状況によって区分された階層

階級区分の基準として、生産手段や他者の労働などをコントロールする「権力」(power) を加味することもある。

資本家階級 (capitalist class):
旧中間階級 (old middle class):
労働者階級 (working class):
(新中間階級) (new middle class):

実際の研究においては、「階層」とほぼ互換的に使われている。

などを使用した種々の「階級分類」(または「階層分類」) が存在する。


社会移動とは

社会移動 (social mobility): 個人の人生を通じた階層間の移動

特に出身家族と学歴の影響が注目されてきた。

個人の「地位達成過程」(status attainment process)

不平等問題の3つの次元


文献

原純輔・盛山和夫 (1999)『社会階層: 豊かさの中の不平等』東京大学出版会.

橋本健二 (2003)「同・級・生の軌跡」犬塚先 (編)『新しい産業社会学』(改訂版) 有斐閣, pp. 169--194.

今田高俊 (1989)『社会階層と政治』(現代政治学叢書7) 東京大学出版会.

佐藤嘉倫・尾嶋史章 (編)(2011)『日本の階層社会 1: 格差と多様性』東京大学出版会.

盛山和夫・片瀬一男・神林博史・三輪哲 (2011)『日本の社会階層とそのメカニズム』白桃書房.


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