http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2012/occ/o121214.html
田中重人 (東北大学文学部准教授)

現代日本論概論「現代日本における職業」東北大学 文学部 (2012年度 第4セメスタ)

第8講　社会移動と職業・教育

[テーマ] 階層への帰属と社会移動の仕組み

中間試験について

• 資料をそのまま写しても答えになるわけではない。部分的に引用するのはよいが、自分なりの理路をもって文章を書くこと。
• 問1: 企業特殊的人的資本と内部労働市場の関係についてどう説明するか → 企業が負担する費用
• 問2: 「実態」はどのようなものと考えるか?
• 問3: 「社会的ジレンマ」をどう説明するか (なぜ個々の企業では対応できないのか?)

前回課題について

階級分類の具体的な方法についての疑問

• 無職の人は?
• 所有と経営の分離
• キャリアをどう捉えるか?
• 多元的階層?

社会移動における開放性と閉鎖性

「機会の不平等」(inequality of opportunity) の問題 …… 個人に対する社会的資源の分配は、その個人のコントロールできない属性にどの程度影響されているか?

※ 「機会の平等」「機会の不平等」は分野・文脈によってさまざまな意味で使われるので、要注意の概念である

この問題に接近するために、「世代間社会移動」(intergenerational social mobiligy) の研究が行われてきた。

→ 子供の階層は親の階層とどの程度関連しているか? (前回配布資料)

社会移動の閉鎖性をもたらす要因

近代社会における階層の再生産モデル:

出身 → 教育 → 職業 → ……

近代化した社会では、どこでもほぼ類似の構造が見られる。

• 直接的な世襲
• 財産相続
• 経済的要因による進学の格差
• 学歴そのものの再生産 (吉川, 2006, p. 107) → 日本社会の特徴?

文献

安田三郎 (1971)『社会移動の研究』東京大学出版会．

吉川徹 (2006)『学歴と格差・不平等: 成熟する日本型学歴社会』東京大学出版会．

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