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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2013-06-21

現代日本論概論「現代日本における家族」2013年度

第9講  家族変動 (6/21)


[配布資料PDF版]
[テーマ] 近代の家族変動と現代の家族の特徴

前回宿題について

「国勢調査」について

「国勢調査」は、日本に常住する者全員を対象とした調査。西暦年で5の倍数の年におこなわれる。世帯単位で記入するマークシートの調査票で情報を収集している。

男女別1歳刻みの人口の2000年のデータは、総務省統計局 (2001)『平成12年国勢調査報告 第2巻 その1 全国編』第3表にある。『平成12年国勢調査最終報告書 日本の人口 資料編』第16表をみてもよい。

「人口動態統計」について

政府に提出される各種の届出 (出生届、死亡届、転出・転入届、出入国管理、婚姻届、離婚届……) にもとづいて集計・公表される。官庁の日常的な業務のなかで出てくるデータを集計したものなので、「業務統計」と呼ばれ、統計のために調査をおこなう「調査統計」と区別される。

母親の年齢 (1歳刻み) 別の出生数のデータは、厚生労働省『平成12年度人口動態統計 中巻』第7表からわかる。ただし、分母にあたる年齢別女性人口のデータが『人口動態統計』中には出ていない (上巻巻末の「基礎人口」には5年刻みのデータしかない)。→ 国立社会保障・人口問題研究所 (2001)『人口問題研究』57(4), p. 72 の表4 がいちばん正確な資料のようである (別紙)。

国籍のあつかい

「国勢調査」は、国籍にかかわらず「日本に常住する者」全員を対象とした調査であり、基本的には全員分の人口データが集計されている。特に必要がある場合には、「外国人」と「日本人」を別に集計した表もある。

これに対して、「人口動態統計」で計算されている各種の人口指標は、「日本に居住する日本人」についてのものである。公表される『人口動態統計』は、最近は3巻セットになっており、外国人のデータは下巻にまとめられている。


前回課題について

あまり言及されていなかった要因

「要因」の候補は多岐にわたる。当時の時代状況についての知識を駆使して想像してみること。

大きくわけると、前近代から引き継いだ規範や制度 (イエや同族) によるものと、近代になってできた新しい家族制度 (「近代家族」と呼ばれる) によるものがある。


前近代から近代へ

近代化 (modernization)

近代化する社会における前近代的セクターと近代的セクターの併存 (二重システム = dual system)

近代化が進展する途上を「前期近代」、社会のほぼ全体が近代化してしまったあとを「後期近代」と呼んで区別することがある。


「近代家族」とは

家族の機能縮小

近代以前の社会において家族が果たしてきた主要な社会的機能 (social function) としてはつぎのようなものがある。

近代化とともに、家族の機能は少なくなってきた (▼印のものが縮小)。この機能縮小の過程は、日本社会では、20世紀はじめごろから、都市部のサラリーマン層で進展した (教科書 p. 30)。日本社会全体にひろまるのは高度経済成長期 (1970年代ごろまでにほぼいきわたる)。

近代家族

「近代家族」(modern family) の特徴 (教科書 p. 22) について、具体例をあげながら考察してみよう。


近代家族と家族問題

近代家族は、近代化に適応してできた合理性を持つ家族制度である。

他方、この制度にはさまざまな問題もある。「家族問題」とされる現象のほとんどは、近代家族の特徴に関係している


文献


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