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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2014-01-22

現代日本論演習/比較現代日本論研究演習III「実践的統計分析」(2013)

第15講 混合モデル (1/22)


[配布資料PDF版]
[テーマ] 固定効果と変量効果

変量効果 (random effect) の統制

調査や実験の際のサンプリングなどによって偶然生じるデータの変動のことを変量効果 (またはランダム効果) という。変量効果を生みだす要因のことを「変量因子」という。典型的には、対象者としてどういう個体が選ばれたか、という要因がこれにあたる。

これに対して、研究の目的として検討したいデータの変動のことを「固定効果」(fixed effect) という。固定効果を生みだす要因のことを「固定因子」という。論文に、○○の効果があった(なかった)、と書きたくなるような要因は、固定因子であると考えてよい。

たとえば、ある授業方法で学習がうまくいくかどうかを試験成績で測る場合、自分の集めた対象者のなかには、もともとさまざまな水準の能力の人がいる。授業後に1回だけ試験を行った場合、その成績がよかった(悪かった)からといって、その授業方法の効果があった(なかった)ことにはならない。それは、たまたま対象者にもともと能力の高い(低い)人が集まってしまった結果かも知れないからである。

このような問題を解決するには、どのような研究計画にするとよいか?

「対応のある分析」は、変量効果を統制する方法のひとつととらえることができる。

これをさらに発展させた統計的手法として、変量効果をさまざまなかたちで統制しながら固定効果を推定する分析方法が考案されている。


固定効果モデル (fixed effect model)

SPSS の「一般船型モデル」→「一変量」の分析では、「変量因子」を統制した分析がおこなえる

出力 (特にパラメータ推定値) を見て、何が行われているかを考えてみよう。

この方法では、被験者間要因の主効果を推定することはできない。個体間の成績水準のちがいは、すべてID変数の効果 (=変量効果) に吸収されるからである。

被験者間要因と被験者内要因の交互作用効果は指定できる → テスト間の成績の変化が、クラス間で異なるかどうか


混合モデル (mixed model)

「混合モデル」を使う

この方法では、まずクラスによる能力の違いがあって、クラスの内部でさらに個人間の能力の違いがある、というようなモデルを作ることができる。 → multi-level model


一般線型モデルの結果の書きかた

通常は、パラメータ推定値をもとにして、表を書く (別紙)。

紙幅に余裕があれば、基礎的な統計量として、各変数の平均値、SD も示すとよい。

カテゴリ数の多い固定因子の効果について検討する場合には、分散分析表と推定周辺平均の表を載せる (別紙)


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