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http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2014/family/f140527.html
田中重人 (東北大学文学部准教授) 2014-05-27

現代日本論概論「現代日本における家族」

第6講 法律情報の調べかた


[配布資料PDF版]
[テーマ] 法律・判例の探しかた

前回宿題について

予備知識:

最高裁判所大法廷決定 (2013年9月4日) 原決定を破棄し抗告審に差し戻し

本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたものというべきである。 〔……〕既に関係者間において裁判、合意等により確定的なものとなったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが、関係者間の法律関係がそのような段階に至っていない事案であれば、本決定により違憲無効とされた本件規定の適用を排除した上で法律関係を確定的なものとするのが相当であるといえる。〔……〕Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。

「民法の一部を改正する法律」(2013年号外法律94号) 12月11日公布・施行

民法900条4号但し書きの問題部分を削除
経過措置として、2013年9月5日以降に開始した相続について適用

「Aの相続の開始時」(=被相続人の死亡) というのが2001年7月、最高裁決定が2014年9月4日。


探す対象 (主として既存の国内法について)

  1. 法律の条文や立法・改正の経緯
  2. 判例
  3. 法解釈や判例に関する学説

法律そのもの

法律の名称と略称、法令番号について

例: 育児・介護休業法 = 1991年に「育児休業等に関する法律」(1991年法律第76号) として成立、5月15日に公布

改正法の仕組み → 「〇○を改正する法律」によるパッチワーク

例: 「育児休業等に関する法律の一部を改正する法律」(1995年法律第107号) → 題名を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に変更 (1995年6月9日)

改正法を「溶け込ませた」形の最新の条文が提供されている

立法・改正の経緯


判例


学説

法律を解釈・適用するにあたってどのような考えかたが使われているか。

その分野の入門書・概説書で、主要な考えかたとその変遷をおさえておく
判例評釈は、過去の判例も踏まえて学説の動向をまとめてあることが多い

法学関連の文章では、判例や学説についての解説と著者個人の意見とが分離していないことが多いので、注意して読むこと。


データベース

東北大学では、2011年度から、「第一法規法情報総合データベース D1-Law.com」を購入している。東北大学キャンパス内のコンピュータからアクセス可能。

https://www.d1-law.com/ip_login/

「現行法規 履歴検索」では、現在および過去の法律とその改正過程のほか、任意の一時点で有効な法律の条文を表示させることができる。

「判例体系」では、主要な判例集・判例誌に掲載された判例が検索できる。


文献

法務省 (2013)「民法の一部が改正されました」 <http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html>


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