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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2014-06-03

現代日本論概論「現代日本における家族」

第7講 人口と家族 (1): 人口学の考えかた


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[テーマ] 人口ピラミッドを読む

前回の課題について


今回の課題

配布資料の「人口ピラミッド」からどんな特徴が読みとれるか。全体的な形状のほか、特に A〜D の部分に注目して説明すること。教科書 I-3 などを参考にするとよい。

データは {http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/pyra.html} による


人口学とは

「人口」(population): ある属性 (たとえば居住地・年齢・性別など) に該当する人間の数

人口について研究する学問を「人口学」と呼ぶ。狭い意味では、人口やその変動をとらえるための理論をあつかう「形式人口学」(formal demography) だけを「人口学」と呼び、人口に関わる具体的な諸問題をあつかう「人口研究」(population studies) と区別することがある。


人口ピラミッド (population pyramid)

ある時点での人口を、左が男性、右が女性、下が若年、上が高年齢になるようにして、グラフにあらわしたもの。年齢構造の特徴をひと目で把握できる。

現代日本では、どの年齢層が多く、どの年齢層が少ないか?


人口動態 (population dynamics)

人口方程式 (demographic equation)


人口増加 =     自然増加    +     社会増加
     = ( 出生 − 死亡 )  +  ( 流入 − 流出 )

現代日本社会では、国際移動による増減はあまりない。日本全体の人口の変動は、ほぼ自然増加で決まると考えてよい。すなわち、出生数と死亡数の差である。

コーホート観察と期間観察

出生コーホート (birth cohort)……おなじ年に生まれた人々を指す。単に「コーホート」と呼ばれることも多い

「コーホート」とは、おなじ時期におなじ出来事を経験した人々の集団をいう。

人口転換 (demographic transition)

人口は、かなりダイナミックに変動する

特に、近代化にともなっては、死亡率が低下し、ついで出生率が下がる。この結果として、近代社会は、

多産多死 → 多産少死 → 少産少死

という変化を経験する。日本社会では、1920年代〜1950年代ごろ。


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