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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2014-06-24
現代日本論概論「現代日本における家族」
第9講 人口と家族 (3): ライフサイクルの変化
[配布資料PDF版]
[課題用紙PDF版]
- [テーマ]
近年のライフサイクルの変化、特に結婚の変化と、その背後にある時代的な社会変動
中間試験について
配点は、問1が5点、あとは各問10点 (35点満点)
- 問2: 「規範」「制度」の存在は何を根拠にすればよいか?
人口学用語補遺
日本の人口動態の統計では、通常、1年間の出生数をその年の10月1日の人口で割ったものを「出生率」(birth rate) と呼ぶ (「粗出生率」「普通出生率」ともいう)。「死亡率」(mortality rate) も同様。
- (粗/普通) 出生率:
年間出生数/10月1日の人口
- (粗/普通) 死亡率:
年間死亡数/10月1日の人口
これらはかなり小さい値になるので、1,000倍して‰ (per mil) であらわすのがふつう。
課題
1970年代以前の日本人はなぜ高い確率で結婚していたのか。教科書などを参考にして、現在の日本社会とのちがいについて考察せよ。
- 参考になりそうな章:
I章(3), III章(4,5,7,10,12), IV章(1), V章(6), VI章(1--4), X章 (2)
結婚をめぐる規範
イエ制度のもとでの結婚
- 「イエ」同士の結合としての結婚
- 結婚を決めるのは誰か?
- 見合い結婚から恋愛結婚へ
個人の合理的意思決定としての結婚
結婚することのメリットは何か? → 家族の経済学
- 結婚以外ではできない (やりにくい) 活動
- 規模の利益
- 分業の利益
結婚と生活保障システム
- 「イエ」を単位とした家族的経営による生活保障の崩壊
- 正規雇用 (家族賃金) と核家族を軸とする生活保障システム
- 性別分業と労働市場における性差別
寿命の伸びとライフサイクルの変化
- ライフサイクル (life cycle):
生命をもつものの一生の生活にみられる規則的な推移 (森岡清美・塩原勉・本間康平編(1993)『新社会学辞典』有斐閣)。これを拡張して、親族の集団がどのように世代間で周期的に再生産されるかを指す用法もある。
戦後の寿命の伸長は、日本人のライフサイクルにどのような変化をもたらしたか? (→教科書 p. 144)
宿題
「国勢調査」と「人口動態統計」から、つぎのことを調べる。
- 2010年の人口ピラミッドを書くためのデータ
- 2010年の合計出生率を計算するためのデータ
「国勢調査」については「政府の統計総合窓口」
<http://www.e-stat.go.jp>
、「人口動態統計」については附属図書館2号館1階の経済統計コーナー所蔵の報告書を利用すること。
それぞれのデータについて、つぎのことをまとめる
- どの報告書、どの表をみればよいか (表番号とタイトル)。
- それぞれのデータはどのようにして収集・集計されているか。特に、国籍のちがいはどのように処理されているか。
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