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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2014-10-30

現代日本論演習/比較現代日本論研究演習III「実践的統計分析」

第5講 相関係数 (2)


[配布資料PDF版]
[テーマ] ピアソンの積率相関係数と相関係数行列

積率相関係数類

変数の標準化

平均=0, 標準偏差=1 になるよう変換する。これで単位を気にせずに、変数同士の値を比較できるようになる

具体的には: ( その個体の値 − 平均値 ) / SD (→ 教科書 pp. 129, 130)

Pearson の積率相関係数

標準化済みの変数 X, Y について、それらの積の平均をとったもの:

\begin{equation} r = \frac{\sum XY}{N} \end{equation}

通常、単に「相関係数」といえばこの r をさす

欠点:はずれ値や歪みに弱い

Spearmanの順位相関係数

先に各変数を順位に変換しておく。あとの計算は、Pearsonの積率相関係数とおなじ。

$ r_s $ または ρ であらわす。

SPSSコマンド

クロス表の「統計量」でも出せる (「統計量」オプションで「相関係数」を選ぶと、Pearson の r と Spearman の ρ が両方でてくる)。


相関係数類の使いわけ

相関係数が 0 または ±1 になるのはどのような場合か?


相関係数の検定

Pearson の r の信頼区間は、「Fisherの z 変換」と呼ばれる方法で求められる (森・吉田 1990)。この信頼区間に r=0 が含まれるかを判断すれば、統計的検定がおこなえる。

ただし、この方法で正確に信頼区間を求めるのは面倒なので、通常は t 分布を利用した検定だけをおこなう (教科書巻末の数表参照)。 Spearman の順位相関係数ρについても、おなじ方法が使える。

Kendall の順位相関係数タウbについての推定・検定は別の方法を使う (Bohrnstedt and Knoke, 1992) が、省略。 r に関する t 検定より検定力が低いことに注意。


課題

  1. SPSS の「クロス集計表」で、Kendall のタウb がプラスになる表とマイナスになる表を出力し、クロス表の%を見て解釈する
  2. 教科書 p.75 練習問題3-3 の表について、Pearson の r, Spearman の ρ, Kendall の τb を計算する。途中経過がわかるように書くこと。

文献


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