厚生労働省「労働時間等総合実態調査」に関する文献調査
- 「前例」はいつ始まったのか
田中 重人
<http://tsigeto.info>
(東北大学)
東北大学文学研究科研究年報 68:68-30 (2019-03-07)
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- Title: 厚生労働省「労働時間等総合実態調査」に関する文献調査: 「前例」はいつ始まったのか || Data Scandal in the 2018 Labor Law Reform Debate in Japan: A Review of Literature on a Series of Governmental Surveys on Working Hours
- Author: 田中 重人 || TANAKA Sigeto
- Journal: 東北大学文学研究科研究年報 || Annual Reports of Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University
- Publisher: 東北大学大学院文学研究科 || Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University
- Volume: 68
- Pages: 68-30 (159-197)
- Date: 2019-03-07
- Language: JPN
- Handle:
10097/00125161
- NAID:
40021893456
- NCID:
AA11521033
- ISSN:
1346-7182
- OSF:
https://osf.io/wyzh7
- Academia.edu:
https://www.academia.edu/38579280
- URI:
http://tsigeto.info/19a
- OSF project:
https://osf.io/phu6x/
要約
「労働時間等総合実態調査」は、2018年の国会におけるいわゆる「働き方改革」の議論の際、2013年調査の結果に不正な操作を加えた数値が首相答弁に使われたことで、注目を集めた。このことが問題化した結果、政府は用意した法案の一部について提出を見送った。厚生労働省による監察チームは、前例を無批判に踏襲していたことに主たる問題点を見出している。しかし、この監察は2013年調査にのみ焦点をあてており、過去の調査については情報を集めていない。本稿では、この調査とその前身である「労働時間総合実態調査」に関する文献を収集し、この一連の調査が1986年以来12回おこなわれ、労働政策立案に使われてきたことをあきらかにした。文献からは、設問、標本設計、現場で実査にあたる労働基準監督官の指揮、データ分析、結果報告の各段階に問題を抱えた調査であることが、容易に読み取れる。それにもかかわらず、この調査に対する批判が2018年まで出てこなかったこともあきらかになった。
目次
- 1. 労働時間データ偽造問題
- 2. 労働時間等総合実態調査の問題点
- 3. 本稿の目的と方法
- 4. 結果
- 4.1. 1986年 労働時間総合実態調査
- 4.2. 1990年 労働時間総合実態調査
- 4.3. 1992年 労働時間総合実態調査
- 4.4. 1993年 労働時間総合実態調査
- 4.5. 1995年 労働時間等総合実態調査
- 4.6. 1996年 労働時間等総合実態調査
- 4.7. 1997年 労働時間等総合実態調査
- 4.8. 1998年 労働時間等総合実態調査
- 4.9. 2000年 労働時間等総合実態調査
- 4.10. 2002年 労働時間等総合実態調査
- 4.11. 2005年 労働時間等総合実態調査
- 4.12. 2013年 労働時間等総合実態調査
- 4.13. その他
- 5. まとめ
- 5.1. 労働時間 (等) 総合実態調査の歴史と政策利用
- 5.2. 調査に関する情報公開とその問題点
- 5.3. 労働時間測定の問題
- 5.4. 調査対象事業場の抽出とその管理
- 6. おわりに
図・表
- 図1. 2005年「労働時間等総合実態調査」標本構成 (全国)
- 図2. 2005年「労働時間等総合実態調査」標本構成 (滋賀県)
- 図3. 2013年「労働時間等総合実態調査」標本構成 (全国)
- 表1. 「労働時間総合実態調査」「労働時間等総合実態調査」の歴史
文献
謝辞
本稿は
JSPS科研費基盤(C) #17K02069
研究成果の一部である。
追加情報
本稿脱稿後に入手したつぎの論文中に、1986年「労働時間総合実態調査結果」の母集団および標本構成の表 (産業×事業場規模) がありました。
本文では「層別の標本構成がわかるのは、1990年と2005年の調査だけ」と書きましたが、これに加えて、1986年調査でも層別の標本構成がわかる情報が公表されていたことになります。
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