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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2016-10-20

現代日本論演習/比較現代日本論研究演習III「実践的統計分析」

第3講 統計的検定と検定力


[配布資料PDF版]
[テーマ] 区間推定、統計的検定と検定力、サンプルサイズ

平均値の差の推定

ふたつのグループで別々に信頼区間を求めた場合:

通常は、「グループ間の平均値の差」について、母集団における値の信頼区間を求める方法をとる。→ 前期第12講


統計的検定

復習:


カイ2乗分布とF分布

推測統計手法で正規分布を使った推定・検定をおこなうことはあまり多くない。よく使うのは、正規分布を変形した t 分布、χ2分布、F分布である。いずれも「自由度」(degree of freedom: DF) と呼ばれるパラメータを持ち、それによって形が変わる。

t 分布: DFをひとつもつ (DF = ケース数 − 1)。正規分布に似た形をしているが、ちょっと幅が広い。自由度が増えると正規分布に接近していき、およそ DF>200 で標準正規分布とほぼ同じものになる。平均と分散の両方を推定・検定する場合に使う。
χ2 分布: クロス表の独立性の検定で使う。DFによって形が変わる (DFは行・列のカテゴリ数からそれぞれ1を引いて求める)
F 分布: 分散分析 (η=0 を帰無仮説とした検定) で使う。DFをふたつもつ (カテゴリ数−1 と ケース数−1)

標準正規分布に従う変数の2乗は、DF=1の χ2 分布に従う。

t分布に従う変数の2乗は、第1DF=1 の F 分布に従う。


検定力

「検定力」(power of a statistical test) とは…… 母集団における一定の大きさの関連をどれくらいの危険率で検出できるか

標本の規模 (=ケース数) できまる
○○ の差を危険率 xx% で検出するには、どれくらいのケース数が必要か?

信頼区間の幅がどれくらいになるかを、標本の規模を変化させて計算してみるとよい。


課題

検定力について、つぎの計算をせよ


文献

森敏昭・吉田寿夫 (1990)『心理学のためのデータ解析テクニカルブック』北大路書房. {ISBN:9784762801310}

永田靖 (2003)『サンプルサイズの決め方』(統計ライブラリー) 朝倉書店. {ISBN:4254126654}


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