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作成:田中重人 (東北大学文学部准教授)
東北大学文学部 (2010年度) 現代日本論基礎講読「論文作成の基礎」
「OK」が付いている人以外は、トピック・関連情報と文章との対応に問題あり → 修正して再提出
ひとつの文にはひとつの情報だけを載せる。ふたつ以上の情報を盛り込むのは避け、できるかぎり単純な文をならべること (今日の授業内容参照)。
主格・目的格・場所・時間など、必要な情報が落ちていないか確認すること。省略しなければ不自然になる場合をのぞき、なるべく省略を避ける。
おなじ言葉はできる限りおなじ表記を使うこと。
自分なりの方針をきめて、ファイルに残していくとよい。
文献資料等からの引用・参照に当たっては、
ことばの定義をするときは、鍵括弧を使う。
……のようなものを「ら抜きことば」という。
重要なことばが外来語である場合、初出のときに原語を併記すること。
「クレオール」(Creole) とは……
数量・年号・日付・時間・順序などをあらわす数字には、アラビア数字(算用数字: 1 2 3 4 …)を使う。
2人 3種類 1930年代 懲役8年
ただし、固有名詞化したものや慣用句的なものの場合には漢数字 (一 二 三 四 ……) をつかってよい
三重県四日市市 十干十二支 三日月 四面楚歌
日本語の文字は、おなじ大きさの正方形の枠内にデザインされている。 この正方形枠のことを「全角」という。アルファベットと数字には、 全角にデザインされた文字と、半角(全角よりも幅が狭いかたち)にデザインされた文字がある。
全角文字の例: ひらがな カタカナ 漢字全角
1234 ABCD abcd
半角文字の例: 1234 ABCD abcd
アルファベット/数字が2字以上つづく場合は、半角文字を使う。アルファベット/数字が 1字だけの場合は、全角・半角どちらでもよい。
- ○ 2009年5月22日 × 2009年5月22日
括弧類・コンマ・ピリオドなどの記号は全角・半角いずれを使ってもよい。 ただし、半角記号を使う場合は、その前後のスペースを適切に入れること。
全角記号の前後にはスペースを入れない。
文字の種類 (font) には、 飾りのついたデザインのもの(たとえば明朝体)と飾りのないデザインのもの(たとえばゴシック体)がある。論文の本文には前者を用いる。後者はタイトル、セクション見出し、特に強調したい語句などにだけ使う。
Windows で使われる「MS P 明朝」は、一部の文字が全角でないサイズになっているので、使わないほうがよい。
- MS P明朝: 句読点、や「かぎ括弧」の前後が詰まる。
- MS明朝: 句読点、や「かぎ括弧」の前後が詰まらない。
なお、日本語文字は 斜体 にしてはならない。
アルファベットにはさまざまなフォントがあるが、 Roman 体かその変種が基本である。WindowsではTimes New Roman フォントが使える。
各自のパラグラフ課題の文章から、いちばん複雑な文を選んで下線を引く。その文を構文解析したうえ、わかりやすく書き直す。
文節に切りわけてみよう
例: 道を−歩く 月が−沈む 目で−見る 駅に−行く 家から−出る 早く−食べる 頭が−痛い 屋根より−高い 大きな−手 私の−本 すごく−大きい
例:これらの図を使って説明すると、学生は日本文における「主語」の不在をすんなりと理解してくれる。
構文木の、いちばん右の、枝分かれしていない部分を「根」(root) という。上の例でいうと、「理解してくれる」が根である。
例:調査は仙台と福島でおこなった。
例:私は○○を助手席に乗せ、車を走らせた。
構文がある程度以上複雑になると、非常に読みづらくなる: 枝わかれが多い、枝が長い、並列構造のなかに複雑な枝わかれがある、枝の先に並列構造がある、係り受けや同格関係が確定できない、など。
対策: 余計な文節を削る、枝を切り落として独立させる、並列構造の中身を小さくする、読点などの記号を活用する、注や箇条書きや表を活用する。
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