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http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/2016/writing/
田中重人 (東北大学文学部准教授)
2016-04-15
現代日本論基礎講読 2016年度(3セメスタ) 東北大学文学部
論文作成の基礎
2年生対象:2016年度 3セメスタ
<金2>133講義室 (文学部棟 1F)
[配布資料セット (PDF形式)]
[第1回配布資料 (PDF形式)]
各回資料:
[4/22]
[5/6]
[5/13]
[5/20]
[5/27]
[6/3]
[6/10]
[6/17]
[6/24]
[7/1]
[中間レポート返却と期末レポート相談]
[7/22]
[7/29]
[期末レポート]
[期末レポート返却と講評]
授業内容
大学での研究 (たとえば授業での課題,レポート,卒業論文など) で要求される文章は、つぎのような条件を満たさなければなりません:
- データに基づいた論理的な推論を中心とする
- 論理構造に沿った章立てや段落分けが重要である
- 誤解をまねかないよう正確に書かなければならない
- 先人の業績と自分の意見とを区別しなければならない
- そのために文献参照の規則を守らなければならない
この授業では、これらのルールを学ぶと同時に、実際に論文を執筆し、受講者相互の批評をとおして執筆のプロセスを習得します。
成績評価
- 授業中の課題と宿題 (40%)
- 中間レポート (20%)
- 期末レポート (40%)
中間・期末レポート
中間レポート、期末レポートはそれぞれつぎのような内容にする予定:
- 中間レポート:
本・雑誌記事・TV番組などなんでも批評
- 5/12(木) 12:00 までに計画を提出する。
- 6/3 授業時 に草稿を提出する。提出された草稿をランダムに配布して、相互に批評 (赤ペンでコメント)。
- コメントを参考に書きなおして、6/16(木) 12:00 までに提出。 → この最終稿が採点対象になる。
- 最終稿の内容によっては、書きなおしを指示することがある。
- 6/24--7/7 の間に、最終稿についてのフィードバックを個別に (あるいはグループ別に) おこなう
- 8/17 までに書き直して再提出すれば、多少加点する可能性あり
- 期末レポート:
各自でテーマを選んで最終レポート
- 6/30(木) 12:00 までに構想と「目標規定文」を提出
- 7月中旬に、期末レポートについての相談を個別に (あるいはグループ別に) おこなう
- 8/12(金) までに提出 (詳細未定)
- 9/1 (木) 以降に返却 (詳細未定)
(いずれも現時点での予定です。授業の進行状況などによって変更する場合があります。)
中間レポート、期末レポートとも、特によいものについては、著者の同意をえたうえで、 インターネット上で公開することを考えています。過去のものについては、
http://tsigeto.info/2001/writing/
から一部たどれるようになっているので、参考にしてください。
受講者との連絡とフィードバック
- 毎回の課題・宿題は、コメントをつけて返却します (内容によっては再提出を求めることもあります)。
- 中間レポート、期末レポートは、採点後に返却します。
- レポートは、ISTU によるオンライン提出とします →
http://www.istu.jp
(学務情報システムで履修登録しない人は、ISTUで「現代日本論基礎講読」に登録申請しておくこと)
- 宿題の中にも、オンライン提出のものがあります。この場合、提出期限は原則として
授業前日 (木曜) 正午 (12:00)
です。
教員からの連絡は、ISTU「お知らせ」「掲示板」のほか、個人ブログ http://b.tsigeto.info/writing/ (RSSフィード 利用可) に出る場合があります。
予定
1 イントロダクション (4/15)
- この授業の概要
- 何の役に立つのか
- 参考文献の紹介
- 各自の興味・文章執筆経験について調査
2 論文の基本形
(4/22)
[3.2--3.4, 10.3]
- 論文全体の構成
- 表題のつけかた
- 本文の構成:序論−本論−結論
- 本論の基本形
- セクション (節) をたてる
3 パラグラフ
(5/6)
[4]
- トピックと関連情報
- パラグラフ (段落)
- トピック・センテンス
- パラグラフの配列
4 文と文の接続
(5/13)
[4, 5]
5 構文解析
(5/20)
[5]
6 構想・立案・材料の準備
(5/27)
[2, 3.5, 8.6]
- テーマをしぼり込む
- 目標規定文
- 先行研究の探索
- メモ、スケッチ、構成表、マインドマップ
7 草稿を読む:中間レポート相互批評
(6/3)
- この段階での原稿を提出し、相互批評 (赤ペンでコメント) →コメントを参考に書きなおして、2週間後に提出
8 句読法
(6/10)
- 文の構造を表現する方法
- 読点の打ちかた
- その他の記号
9 データを簡潔に表現する
(6/17)
- 箇条書き [8.5.4]
- 表と図 [9.6]
- 表題、キーワード、注 [10.3.3]
10 科学的文体
(6/24)
[6, 7, 8]
- 中間レポート草稿について講評
- 期末レポートについて
- 概念と用語
- 「事実」と「意見」
- 根拠のある意見
- 正確な文章
11 書誌情報の利用
(7/1)
[9.4]
- 文献の種類
- 書誌情報:本や雑誌を特定するには
- 灰色文献
- 文献表のつくりかた
12 文献参照
(7/22)
[9.4]
- 文献参照の目的
- 「直接引用」と「間接引用」
- インライン引用とブロック引用
- 文献表との対応づけ
- 「孫引き」について
13 公表文章の倫理
(7/29)
- 情報をめぐる利害
- 秘密をまもる権利と義務
- 経済的利益の保護
- 著作権問題
- 引用の制限
- プライオリティの尊重
- 「差別表現」をめぐって
- 期末レポート構想について意見交換
- ※
[ ] 内は教科書の参照箇所 (セクション番号)
教科書と参考文献
教科書
木下是雄 (1981)『理科系の作文技術』中央公論新社. {ISBN:4121006240}
その他の推薦図書
入門者向け:
- 斉山弥生・沖田弓子 (1996)『研究発表の方法』凡人社.
- 二通信子・佐藤不二子 (2000)『留学生のための論理的な文章の書き方』スリーエーネットワーク.
系統的な練習:
- 浜田麻里・平尾得子・由井紀久子 (1997)『大学生と留学生のための論文ワークブック』くろしお出版.
- 大島弥生・池田玲子・大場理恵子・加納なおみ・高橋淑郎・岩田夏穂 (2005)『ピアで学ぶ大学生の日本語表現: プロセス重視のレポート作成』ひつじ書房. {ISBN:9784894762299}
文科系向け:
- 斉藤孝・西岡達裕 (2005)『学術論文の技法』(新訂版) 日本エディタースクール出版部.
- Gibaldi, J. (1998)『MLA英語論文の手引き』北星堂書店.
日本語文法に関して:
- 大野晋 (1998)『日本語練習帳』岩波書店.
- 井上優 (2002)『日本語文法のしくみ』研究社.
- 各種国語教科書・参考書
ワープロによる執筆法:
- 木村泉 (1993)『ワープロ作文技術』岩波書店.
- ワープロソフトの解説書・マニュアル類
研究の糸口のつかみかた:
- 渋谷恵宜 (2000)『卒論応援団』クラブハウス.
- 戸田山和久 (2002)『論文の教室: レポートから卒論まで』日本放送出版協会.
レポート全般:
- 田中重人 (2005)「レポートを作成する」『人文科学ハンドブック: スキルと作法』東北大学出版会, pp. 74-80.
- 酒井聡樹 (2007)『これからレポート・卒論を書く若者のために』共立出版.
必要な準備
国語辞典 (授業中に使う場合がある)
赤ペンおよびその他の色のペン (授業中に使う場合がある)
レポート執筆用にパソコンを使える環境を確保すること
- 手書きでは推敲がむずかしい
- 当授業のレポートは自筆不可
- 各研究室・コンピュータ実習室などを積極的に利用する
宿題
附属図書館 (本館2号館) 所蔵の学術雑誌からつぎの条件を満たす適当な論文を探し、コピーをとる。 次回の授業で使うので、持ってくること。
- セクションがすくなくとも4つ以上にわかれていること
- 論文末尾に文献一覧が付いていること
つぎの部分をコピーすること
- 論文の全体
- 雑誌の名称や出版者がわかる部分 (表紙など)
- 雑誌の編集方針や論文掲載基準がわかる部分
予習
教科書 3.2--3.4節 (35--50ページ), 10.3節 (196--213ページ) を読んでおくこと。
参考資料
連絡先
田中重人 (東北大学文学部日本語教育学研究室)
- 〒:
980-8576 仙台市青葉区川内27-1 文学部・法学部合同研究棟2F
- E-mail:
tanakas2013 @ tsigeto.info
- Homepage:
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/
- Blog:
http://b.tsigeto.info/school
オフィス・アワーは定めていない。質問等がある場合は、あらかじめ適当な時間に予約をとること。
受講者への連絡は、基本的に、文学部2F教務係前の掲示板または東北大学「学務情報システム」またはISTUシステムにおいておこなう。ただし、休講などで緊急を要する連絡は、
田中の個人ブログ (School カテゴリの記事)
に掲載することがある。
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/newsj.html
を参照。
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第2回の授業
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