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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2020-12-17
現代日本学各論III/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」
出題の意図としては、受講者の予備知識や関心の所在を探ることが目的なので、文献を探して根拠のある論述を求めていたわけではない。だから、自分の記憶や思い付きで書いてよい。
もちろん、文献を探して書いてもよいのだが、その場合は、 出典をきちんと書くこと。
「親族」(=夫婦関係と親子関係による人的ネットワーク) を基礎とした社会制度は、人類社会に普遍的にみられる。しかし、その具体的なありようにはおおきなヴァリエーションがある。 (親族関係を記述する用語については 第2講資料 を参照。)
親族のうち、どの範囲をひとつの集団とみなすかについてのルールは、おおまかに3種類に分けられる:
直系家族制と複合家族制をあわせて「拡大家族制」(extended family system) と呼ぶことがある。また、どの制度のもとでも、夫婦と未婚の子供はかならずひとつの集団に包含される。このため、夫婦と未婚の子供をまとめて「核家族」(nuclear family) と呼び、親族の基本的単位とみなすことが多い。
近代化 (modernization)
近代化する社会における前近代的セクターと近代的セクターの併存 (二重システム = dual system)
近代化が進展する途上を「前期近代」、社会のほぼ全体が近代化してしまったあとを「後期近代」と呼んで区別することがある。
近代以前の社会において家族が果たしてきた主要な社会的機能 (social function) としてはつぎのようなものがある。
近代化とともに、家族の機能は少なくなってきた (▼印のものが縮小)。この機能縮小の過程は、日本社会では、20世紀はじめごろから、都市部のサラリーマン層で進展した。日本社会全体にひろまるのは高度経済成長期 (1970年代ごろまでにほぼいきわたる)。
近代家族は、近代化に適応してできた合理性を持つ家族制度である。
他方、この制度にはさまざまな問題もある。「家族問題」とされる現象のほとんどは、近代家族の特徴に関係している
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