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田中重人 (東北大学文学部准教授)
2020-12-10
現代日本学各論III/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」
第7講 20世紀日本社会の人口変動
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
日本社会における人口転換と社会制度の確立
日本社会における人口転換とその時代
11/12資料
参照
- 1950年くらいまで: 置換水準と合計出生率 (TFR) の低下 (第1の人口転換)
- 1950年代後半から1970年代前半: 置換水準=TFR
- 1970年後半以降: 置換水準 > TFR (第2の人口転換)
それぞれの段階において、日本社会はどのような状況だったか?
たとえばつぎのような事項をあてはめてみよう。
- 第1次世界大戦
- 第2次世界大戦
- 満州事変
- 高度経済成長
- 国民皆保険
- バブル景気
- 石油ショック
- 東京オリンピック
- 大阪万国博覧会
- 介護保険法
- 日本型福祉社会論
- 日本国有鉄道、日本電信電話公社の分割民営化
「日本的経営」とは
会社などの組織は、長期的な相互信頼に基づいて運営していくことが必要であるため、組織内で人的資本 (human capital) や社会関係資本 (social capital) を形成して長期雇用を促す仕組み自体はどこにでもある。
- →
社会的に正当化された信念 (ideology) としての終身雇用・年功序列
日本的経営 (をめぐる言説) の歴史的背景
- 戦時総動員体制 (1940年代前半) →労使協調路線 (野村 2007)
- 戦後の労働運動 (1940年代後半) →年功序列・家族賃金 (河西 2001)
- 高度経済成長とピラミッド型人口構造 (1950--60年代) →若者を安く使うのが合理的
- 石油ショック以降の不景気への対応 (1970年代) →日本文化論の興隆
日本的経営は、現実には、大企業の正社員の一部 (主として男性) に適用されているにすぎない。にもかかわらず、日本の企業経営の理想形 (ideal) と認識されてきた。
- 大企業−中小企業の格差
- 企業系列と「下請け」(subcontractor)
- 企業を退職して自営業主になるという、もうひとつの理想的キャリア (森岡・青井 1987)
- 家内工業 (homeworkers)
- 縁辺 (peripheral) 労働力: 出稼ぎ、パート、アルバイト、高齢者……
福祉国家 (welfare state) の形成
ひとりで生きていけない人の生活を誰が保障するかという問題。旧来の共同体 (家族や地域) か、政府か、市場か?
- 生存権 (憲法25条) の確立、生活保護制度
- 社会保険制度の確立 (1960年代)
- 「高齢化」の社会問題化
- 「福祉元年」: 1973年
- 福祉国家論の衰退: 1980年代「日本型福祉社会」論 →家族による扶養の強調
- 「少子化」の社会問題化 (1992年以降)
宿題
日本社会においては、明治以前とそれ以降でどのような変化があったか。特に、家族に関連する変化に重点を置いて説明せよ。
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