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田中重人 (東北大学文学部准教授) 2020-05-29

現代日本学演習II「統計分析の基礎」

第6講 連関係数とクロス表の解釈


[配布資料PDF版]
[テーマ] 連関係数と%の関係を理解する

前回課題について

「行」と「列」については、つぎのことを理解しておくこと:

論文等に表を載せる場合は、行%か列%どちらか一方、適切なほうだけを書く (人数は、合計のところだけ書いておけばよい)。

PSPPの結果の表をExcel等でグラフにするには

という作業をする。

たとえば次のようになる:

図1: 性別と性別不公平感との関連

性別と性別不公平感との関連


今回の課題

「性別」と「性別による不公平」のクロス表を作成する。ただし、つぎの数値を指定すること。

出力と教科書 (pp. 108, 116--117) をもとに、つぎのことを考える:

提出は、木曜日正午まで。

なお、余力があれば、次のことも考えてみる:


キーワード

セル (cell): クロス表のひとつひとつの升目のこと
行 (row): 横方向のセルの並び
列 (column): 縦方向のセルの並び
独立 (無関連 = independent): すべての列について行%が等しい (またはすべての列について行%が等しい) 状態
周辺度数 (marginal frequency): クロス表の右端・下端に書く「合計」の度数
期待度数 (期待値 = expected frequency): 周辺度数を固定しておいて、独立な (架空の) クロス表をつくった場合、各セルに入る (と期待される) 度数
観測度数 (frequency): 各セルに入っている実際の度数
残差 (residual): 観測度数 − 期待度数
標準残差 (standard residual): 残差を期待度数の平方根で割ったもの
χ2 (chi-square): 標準残差の平方和
クラメールの連関係数 V: χ2 を全度数で割り、セル数を調整したものの平方根

行・列の数が多いクロス表では、各セルの%を比較するのが大変である。また、%の差が大きいように見えても、度数が少ない場合には、実質的には大差ないと考えるべきであるが、そのようなことを判断するのもむずかしい。そこで、まずクロス表全体について「連関係数」を見ることで、行変数と列変数の「連関の強さ」を判断し、そのうえで細かく%を比較していくのが定石になっている。


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