[Previous page]
[Next page]
http://tsigeto.info/2022/statu/u220513.html
田中重人 (東北大学文学部教授)
2022-05-13
現代日本学演習II「統計分析の基礎」
第4講 度数分布表とグラフの利用
[配布資料PDF版]
- [テーマ]
グラフの種類と、それらの適切な使い分け
前回宿題について
- 「データの種類」の分類について
- 尺度水準によって使える計算方法が違う (=使える分析法が違う) ことを理解しておくこと
- 測定している対象そのものの性質ではなく、データにおいてどのような数値が割り当てられているかが問題である
- 上位の尺度は下位の尺度の性質を兼ね備える (たとえば間隔尺度のデータは順序尺度としても分析できる)
- SSM調査の質問項目のうち、比率尺度に当たるものはどれか → 人数、年数など
- 累積パーセント (つまり中央値や四分位など) に意味があるのはどの尺度水準か → 順序尺度以上
- 「収入」や「学歴」を比率尺度として分析するにはどのようにすればよいか → 「変数値の再割り当て」で適当な値に変換:
グラフの利用
分析結果は、通常、表またはグラフで示す。
- 表 (table):
正確な数値がわかるが、全体の傾向を読み取るには熟練が必要
- グラフ (graph/chart):
全体の傾向が簡単に読み取れるが、正確さは犠牲になる
初心のうちは、表とグラフの両方を作成して読んでいくのがよい
度数分布 (の比較) をあらわすグラフの種類
- パイチャート (円グラフ) ……半数を超えているかの判別に便利
- バーチャート (棒グラフ) ……離散量のそのままの分布を示す
- ヒストグラム ……連続量を階級に区切って示す
- 度数ポリゴン (度数多角形) ……複数の分布の比較に便利 (教科書 p. 34)
- 帯グラフ (積み上げ棒グラフ) (教科書 p. 106)
グラフは大きく2種類にわかれる:
- 一定の面積を分割して割合を示す: 円グラフ、帯グラフ、ヒストグラム、度数ポリゴンなど
- 位置または長さで量を示す: 棒グラフ、折れ線グラフ、散布図など
構成比 (全部足すと100%) を示すには (1) のグラフを使うのが原則……だが、実際にはそうでないことも多い。
- 円グラフは「半数」を基準としてみるときに使えるが、それ以外の目的には不適当
- 棒グラフ・折れ線グラフでは、縦軸の数値、目盛り、範囲に注意すること →度数にするかパーセントにするか
- 複数の分布の比較で棒グラフを並べる場合、棒の色をはっきり違えないと、識別しにくい
- 複数の分布 (特に3つ以上) を比較するには、度数ポリゴンがよい (実際には折れ線グラフとして書く)
- 人数がゼロのところがあるので注意
- 欠損値のあつかい
- 連続量の度数分布は適当な階級幅に分けて「ヒストグラム」(柱状グラフ histogram) を書くのが本来である
グラフを描く方法
PSPPでグラフを描く
- 度数分布表のオプションで「チャート」を選び、「パイチャート」「バーチャート」「ヒストグラム」のなかから選択。尺度を「度数分布」または「パーセンテージ」にする。
- データエディタのメニューから「グラフ」→「バーチャート」を選び、「カテゴリ軸」に変数を指定。「バーの表示」を「ケース数」または「ケースのパーセント」に。
他のソフトを使う
いったんHTMLファイルに出力
(第2講資料など参照)
し、ブラウザで開いてコピーする手もある (かなりめんどくさい)。
Google スプレッドシートでは、データ範囲を選択して「挿入」→「グラフ」。「設定」でグラフ種類など選択し、「カスタマイズ」でこまかい設定を行う。
- 軸に入れる数値は「グリッドラインと目盛」で調整する
- 各カテゴリの人数など表示するには「系列」→「データラベル」
- カラーで作成すると、白黒印刷では読みにくくなることが多い
宿題
つぎの3種類の度数分布について、PSPPで適切なグラフを描け。
- 人数の男女比
- 本人年収の分布
- 本人年収の分布の男女比較
教科書32--37ページを参照。
- ※
PSPPを使う場合、出力ビューアのメニュー「ファイル」→「書き出し」でファイル名の末尾を「.pdf」にするとPDF形式のファイルを作成できる。
この授業のインデックス
前回の授業
|
次回の授業
TANAKA Sigeto
History of this page:
- 2022-05-13 : Created
- 2022-05-13 : Minor corrections
This page is monolingual in Japanese (encoded in accordance with MS-Kanji: "Shift JIS").
Generated 2022-05-13 09:21 +0900 with
Plain2.
Copyright (c) 2022
TANAKA Sigeto