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田中重人 (東北大学文学部教授) 2022-11-18

現代日本学演習V「実践的統計分析」

第5講 積率相関係数


[配布資料PDF版]
[テーマ] ピアソンの積率相関係数と相関係数の統計的検定

課題

SPSS の「クロス集計表」で、Kendall のタウb がプラスになる表とマイナスになる表を出力し、クロス表の%を見て解釈する


積率相関係数類

変数の標準化

平均=0, 標準偏差=1 になるよう変換する。これで単位を気にせずに、変数同士の値を比較できるようになる

具体的な計算方法: ( その個体の値 − 平均値 ) / SD

(→ 教科書 pp. 129, 130 を参照)

例題: 前回宿題 (Kendall の順位相関係数) のデータを標準化してみよう。

Pearson の積率相関係数

標準化済みの変数 X, Y について、それらの積の平均をとったもの:

r = ΣXY / N

通常、単に「相関係数」といえばこの r をさす

欠点:はずれ値や歪みに弱い

Spearmanの順位相関係数

先に各変数を順位に変換しておく。あとの計算は、Pearsonの積率相関係数とおなじ。

rs または ρ (rho: ロー) であらわす。

SPSS コマンド

クロス表の「統計量」オプションで「相関係数」を選択。


相関係数類の使いわけ

相関係数が 0 または ±1 になるのはどのような場合か?


相関係数の検定

Pearson の r の信頼区間は、「Fisherの z 変換」と呼ばれる方法で求められる (森・吉田 1990)。この信頼区間に r=0 が含まれるかを判断すれば、統計的検定がおこなえる。

ただし、この方法で正確に信頼区間を求めるのは面倒なので、通常は t 分布を利用した検定だけをおこなう (教科書巻末の数表参照)。 Spearman の順位相関係数ρについても、おなじ方法が使える。

Kendall の順位相関係数タウbについての推定・検定は別の方法を使う (Bohrnstedt and Knoke, 1992) が、省略。 r に関する t 検定より検定力が低いことに注意。


文献


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