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田中重人 (東北大学文学部教授) 2023-12-15

現代日本学演習IV「調査的面接の基礎」

第5講 インタビュー実施から書き起こしまで


[配布資料PDF版]
[テーマ] 面接の実施、トランスクリプトの作成、聞き取り内容の整理

面接前にやること


面接時


面接終了後


書き起こし

トランスクリプトは、自分が読んで分析するためのものである (論文などで引用するときは、適宜整形する)。自分なりに記号などを工夫すること。基本的に、ターンごとに行をかえて書いていく。

万一流出した場合にも対象者が特定できないよう、対象者の氏名や具体的すぎる固有名詞については、記号化するか、適当な仮名を割り当てる。


書き起こしの記号 (例)

会話分析で使われているものなどを参考に、自由に決めてよい (既存の文献を参照)


情報の整理

対象者の基本的な属性については、事前にわかることを表などにまとめておくとよい。重要な内容について (特に事実レベルのこと)、表や箇条書きの形式で全対象者をまとめ、一覧できるようにしておく。この表に適宜必要な情報を追加していくとともに、自分の頭の中に全対象者の基本的な情報が入っているようにする。


分析と解釈

「分析」(analysis) とは

後者のためには、要素をまず特定しなければならない。最終的には両方が必要になる(→木と森を両方見る)が、先に要素を分解しておく(→木だけを見る)

分析の方向性

この授業ではとりあえず最初の方法で

解釈において気をつけること

要素を抽出するときは直感を信頼すること。

そのうえで、抽出した要素について多角的に解釈する。

総合と比較

要素をある程度抽出したら、その人の話の全体がどう構成されているかを把握する

複数の対象者のトランスクリプトを比較する:

論文やレポートにおいては、 どう批判的に読んでもこれ以外の解釈はありえない というレベルの頑健さ(を裏付ける論証)が必要である。

その他の注意点


次回

次回はトランスクリプトを実際に分析してみます。自分の調査のトランスクリプト(前に作ったのを修正したのでもよい)を Google Classroom のストリームに授業前に提出。


文献


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