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田中重人 (東北大学文学部教授)
2025-05-28
現代日本学各論I/現代日本学社会分析特論I「現代日本における家族と人口」
人口について研究する学問を「人口学」と呼ぶ。狭い意味では、人口やその変動をとらえるための理論をあつかう「形式人口学」(formal demography) だけを「人口学」と呼び、人口に関わる具体的な諸問題をあつかう「人口研究」(population studies) と区別することがある。
ある時点での人口を、左が男性、右が女性、下が若年、上が高年齢になるようにして、グラフにあらわしたもの。年齢構造の特徴をひと目で把握できる。
人口学では、年齢について3区分で考えることが多い (0-14歳; 15-64歳; 65歳以上)。そこから、年少人口係数、老年人口係数 (高齢化率)、従属人口指数などの指標が計算される。
人口増加 = 自然増加 + 社会増加 = ( 出生 − 死亡 ) + ( 流入 − 流出 )
現代日本社会では、国際移動による増減はそれほど大きくない。日本全体の人口の変動は、大部分は自然増加で決まると考えてよい。すなわち、出生数と死亡数の差である。
出生コーホート (birth cohort)……おなじ年に生まれた人々を指す。単に「コーホート」と呼ばれることも多い
- ※ 「コーホート」とは、おなじ時期におなじ出来事を経験した人々の集団をいう。
近代化にともなって、死亡率が低下し、出生率が下がる。この結果として、近代社会は、
多産多死 → 多産少死 → 少産少死
という変化を経験する。この変動のことを「人口転換」と呼ぶ。
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