[English] [田中重人] [NFR]

無効回答の発生

田中 重人 (tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp)
清水 新二 (編), 2001, 『家族生活についての全国調査 (NFR98) 報告書 No.2-4: 現代日本の家族意識』 日本家族社会学会 全国家族調査 (NFR) 研究会 (事務局: 早稲田大学文学部大久保孝治研究室): p. 155-179.

文部省 科学研究費補助金 研究成果報告書: 基盤研究 (A), 研究課題番号 10301010

国立情報学研究所 目録所在情報サービス (NACSIS-CAT) 番号 (NCID): BA53222707


要旨

全国家族調査 (NFR98) の質問項目のうち、非該当ケースの存在しない50項目について、 無効回答 (無回答および「その他」「わからない」) の発生状況を確認する。 主な結果はつぎのとおり:

  1. 全6985ケース中3214ケース (46%) で無効回答が生じている;
  2. 回収率の高い調査地域で無効回答の多い場合がある;
  3. 初等・中等学歴の高齢者, 非有職者, 無配偶者に無効回答が多い;
  4. 「その他」「わからない」を回答選択肢にふくむ項目, 数字を直接書き込む項目は無効回答が多い;
  5. 調査員が回収時にチェックする項目は無効回答がすくない;
  6. 同種の質問項目がワン・セットになっている設問の場合、 各項目の無効回答発生はたがいに強く関連している;
  7. 基本的属性が無効回答にあたえる影響は項目によってちがうが、 学歴の効果は50項目すべてに一貫してみられた。
これらの結果をもとに、分析上注意すべき点と今後の調査で改善すべき点にも言及する。
キーワード: 欠損データ, 無回答, 非標本誤差

[全文 (251KB PDF)]
ページ番号がはいっていない点をのぞけば、 報告書印刷に使ったのとまったくおなじ原稿です。


地域別の回答傾向についてはその後分析をすすめ、2002年の第12回日本家族社会学会で報告しました。

NFR 調査


田中 重人 (tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp)

Created: 2001-08-26. Updated: 2003-05-28.