URL: http://www.nik.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/writing/w040521.html
作成:田中重人 (講師) <tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp>
パラグラフの頭は、全角(通常の日本語文字の大きさ)ひとつぶん下げる。 全角スペースを入れてもよいし、ワープロの「字下げ」(indent) 設定機能などを使ってもいい。半角スペース(英文で使われるスペース)で代用しないこと。
パラグラフとパラグラフの間に縦方向のスペースを入れないこと。 パラグラフ間にスペースを空ける方式(ブロック・パラグラフィング)は、 ヨーロッパ系の言語による文章――特に手紙や公式の文書――で使われることがあるが、 日本語文章では使わない (口頭発表の補助資料やインターネットの HTML文書などをのぞく)。
研究の文章では、必ず常体(−だ。−である。 のような語尾の文)を使う。敬体(−です。−ます。)を使わないこと。
トピックの大きさをどの程度のものにするのがいいかをよく考えること。 たとえば「ユニバーサルデザインとは何か」のようなトピックについてひとつのパラグラフで説明するとなると、 細部を端折って大雑把な説明にせざるをえなくなる。 いくつかの小さなトピックに内容を切りわけて、 それぞれについてパラグラフを構成するのがよい。
パラグラフの順序も問題である。 一般に、読者に受け入れられやすいのは、 理解しやすい簡単なトピックや読者にとってなじみのあるトピックを最初に、 複雑なトピックやなじみのないトピックを後においたパラグラフ配列である。 セクション全体のテーマについては、セクション見出しで読者に伝達されるので、 テーマを冒頭パラグラフで明示する必要はない。
文章のなかで、句点(またはピリオド)で区切られたひとまとまりの部分。
文の構成要素同士の修飾関係を分析すること。
自立語ひとつに0個以上の付属語が接続したひとまとまり。 ただし、付属語とは助詞および助動詞、自立語とはそれら以外の全品詞をさす。 形式体言(こと・もの...)、形式用言(ある・いる・みる...)は自立語とみなす。 さ行変格活用動詞はひとつの自立語とみなす(名詞に「する」がついたものとは考えない)。 複合動詞や連語はひとつの自立語とみなす。
- 文節に切りわけてみよう:
- トンネルを抜けると、雪国だった。
- さよならだけが人生だ。
- 吾輩は猫である。
- 少子高齢化社会の社会保障問題
- 花火を打ち上げる
文節間の修飾−被修飾関係。
例: 道を−歩く 月が−沈む 目で−見る 駅に−行く 家から−出る 早く−食べる 頭が−痛い 屋根より−高い 大きな−手 私の−本 すごく−大きい
文節間の係り受け関係を図に表したもの。 修飾する(係る)文節を左に、修飾される(受ける)文節を右において、 係り受け関係を線で示す
例:これらの図を使って説明すると、 学生は日本文における「主語」の不在をすんなりと理解してくれる。
構文木の、いちばん右の、枝分かれしていない部分を「根」(root) という。上の例でいうと、「理解してくれる」が根である。
文のなかに、 文法上同格の要素が隣り合わせに配置されていることがある。このような場合、 並列の要素を上下にならべ、四角で囲んで線で区分する。
例:調査は仙台と福島でおこなった。
例:私は○○を助手席に乗せ、車を走らせた。
TANAKA Sigeto <mailto:tsigeto(AT)nik.sal.tohoku.ac.jp>
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