感染症対策「日本モデル」を検証する

その隠された恣意性
田中 重人 <http://tsigeto.info>
(東北大学)
世界 934: 97-104 (2020-06-08)

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要約

日本モデルとは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の2020年4月1日「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(第2回) に出現した用語で、「市民の行動変容とクラスターの早期発見・早期対応に力点を置いた日本の取組」をあらわす。この日本モデルの前提となっているのが、少数の感染者がいわゆる「3密」の状況で大量の2次感染を起こすという想定である。本稿では、この想定の元となった2020年2月26日までの感染状況の分析結果と、専門家がそれを改変して説明に使用してきたグラフを検討し、恣意的な仮定に基づいた解釈がおこなわれていたこと、別の仮定を置けば日本モデルは支持できなくなることをあきらかにする。さらに、新型コロナウイルス感染症に関しては本件以外にも疑わしいデータが政策判断に使われてきたことを指摘し、第三者による批判・検証可能な情報公開を主張する。

目次

  1. 新型コロナウイルス感染症対策の「日本モデル」とは
  2. 脚色された図と知見
  3. 暗数の補いかたの特性
  4. 何が問題か

図1: 「新型コロナクラスター対策専門家」が解説動画で使ったグラフ {https://twitter.com/ClusterJapan/status/1246269915314577408} (加筆して使用)
図2: 厚生労働省「クラスター対策班」メンバーによる論文のグラフ {doi:10.1101/2020.02.28.20029272}
図3: 平均ひとりの二次感染者を見落としていたと仮定して補正したグラフ {https://remcat.hatenadiary.jp/entry/20200408/making}

文献

謝辞

本稿の執筆にあたり、ツイッター等で寄せられた情報を参考にしました。また多くのかたからコメントをいただき、草稿を改善しました。いちいち記しておりませんが、この場を借りて御礼申し上げます。

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