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雇用・社会保障とジェンダー
ジェンダー法・政策研究叢書 第9巻
編集= 嵩 さやか + 田中 重人; 監修= 辻村 みよ子
<http://www.law.tohoku.ac.jp/COE/>
(東北大学)
東北大学出版会
Date: 2007-05-31
ISBN: 978-4-86163-060-6
NCID: BA82426143
Length: 444ページ
Price: 2,310円
目次
刊行のことば (辻村 みよ子)
目次
はしがき (田中 重人) 1-2
第一部 日本の現状と課題
第二部 平等への多様なアプローチ
第三部 諸外国における雇用政策
第四部 諸外国における社会保障政策
おわりに (嵩 さやか) 435-438
はしがき
(田中 重人) 1-2
本書『雇用・社会保障とジェンダー』は,「ジェンダー法・政策研究叢書」の第9巻である。東北大学21世紀COEプログラム「男女共同参画社会の法と政策」の「雇用・社会保障」クラスターによる研究成果をもとにして編集されている。同クラスターがおこなってきた研究会での報告をもとにした章もあるが,本書のために新たに執筆を依頼した章もある。いずれの章も,それぞれの分野の第一線の研究者の手になるものである。
本書は4部構成となっている。第一部「日本の現状と課題」では,日本社会における雇用・社会保障制度上のジェンダー問題を概観し,具体的な状況に基づいて考察をおこなう。第二部「平等への多様なアプローチ」は,社会科学の諸分野から,平等を実現するための理論的なアプローチの紹介・検討をおこなうものである。第三部「諸外国における雇用政策」と第四部「諸外国における社会保障政策」は,雇用・社会保障それぞれの分野における諸外国の実情と諸制度の改革についての報告である。
本書が目指したのは,具体的な諸問題について,学際的・国際的な視点を持った,射程の長い議論を展開することである。本書の各章においては,間接差別の禁止,セクシュアル・ハラスメント規制,同一価値労働同一賃金,育児休業,年金制度など,私たちが直面する問題を取り上げている。理論的側面では,法学に限らず,経済学や社会学といった多様なアプローチによって,平等を達成するよりよい方法について,多面的な検討をおこなっている。また,外国における現状とさまざまな施策を紹介し,比較検討することにより,日本においてとられるべき施策について示唆を得ることを目指している。
性別に関するさまざまな社会問題のなかでも,雇用・社会保障の分野においては,比較的早くから政策的議論がおこなわれてきた。平等を求める社会運動が一定の力を発揮し,漸進的な改革が進んできた分野といえる。最近の動向をみても,2003年の次世代育成支援法の成立,2004年の年金制度の改正,2006年の男女雇用機会均等法の改正など,重要な改革がおこなわれている。
しかし,これらの改革で,性別による不平等が克服されたわけではない。もちろん,長期にわたっておこなわれてきた運動の成果は,決して小さなものではない。特に,性別による差別を禁止する法秩序を定着させたことと,性別による不平等が政府の重要な政策課題であることについての国民的合意が形成されたことは,その重要な成果といえる。だがそのような達成にもかかわらず,統計資料によって現在の日本社会を巨視的に概観するとき,平等からはほど遠いという現状にあらためて気づかされる。
本書の各所で触れられているように,性別による不平等は複数の要因がからみあった,複雑でシステマティックなものであり,直接的な「差別」を禁止すればそれで消滅するという単純なものではない。平等を目指してとられた政策が所期の効果をあげるとは限らない。ある側面では効果のある政策が,別の側面ではかえって逆効果になることもありうる。社会システムのさまざまな側面についての配慮のいきとどいた,実効的な政策が求められるのである。本書に収められた諸論文が,そうした政策を考える一助になれば幸いである。
なお,本書の諸論文はさまざまな分野の研究者の手によるものであるため,注や文献引用の様式が統一されていない。また,各章がそれぞれ独立した文章として執筆されたため,本書全体では重複部分がみられることになった。編者としては,これらの点についてあえて調整をおこなわなかったことをお許しいただきたい。
第一部 日本の現状と課題
I 男女共同参画と社会法
(岩村正彦; 訳= 柴田 洋二郎) 5-33
1 男女共同参画に関する一般的政策
- (1) 男女共同参画政策の展開
- (2) 現状と問題
- 1) 雇用等の分野における女性の状況
- 2) 男女共同参画政策に対する考えや意見
2 雇用等の分野における男女共同参画
- (1) 1997年男女雇用機会均等法の改正
- (2) 2006年男女雇用機会均等法の改正による間接差別の禁止
- 1) 間接差別の禁止
- 2) パートタイム労働者と間接差別
3 社会保険制度と男女共同参画
- (1) 被用者の社会保険制度とパートタイム労働者
- 1) 医療保険の加入条件
- 2) 年金保険の加入条件
- (2) 国民年金の第3号被保険者
- 1) 第3号被保険者とは
- 2) 第3号被保険者に対する批判と検討されている改革
4 おわりに
II 均等法の20年: 間接性差別禁止の立法化をめぐる論議
(浅倉 むつ子) 35-48
1 男女雇用機会均等法の制定と改正の経緯
- (1) 均等法以前
- (2) 85年均等法の成立
- (3) 97年均等法の改正−第2ステージ
2 新たな法改正への動き
- (1) 積み残された課題−附帯決議
- (2) 女性差別撤廃委員会による「最終コメント」
- (3) 均等法の第3ステージへ
3 間接差別概念をめぐって
- (1) 間接差別禁止規定立法化の意味
- (2) 間接差別の定義と対象範囲
- (3) 2006年改正均等法における間接差別禁止規定
4 おわりに
III 育児休業政策の意義と課題
(武石 恵美子) 49-69
1 はじめに
2 育児休業政策の展開
- (1) 女性のキャリア支援策として
- (2) 男女労働者を対象とする両立支援策の柱として
- (3) 次世代育成支援対策推進法の施行
3 育児休業制度の定着状況
- (1) 制度導入状況
- (2) 制度利用状況
- (3) 休業中の労働条件等
- (4) 職場での受け止め方
4 育児休業制策の効果
- (1) 少子化対策としての育児休業
- (2) 女性の就業継続促進策としての育児休業制度
- (3) 男性の子育て参加促進策としての育児休業制度
5 育児休業政策の課題
- (1) 制度運用面での課題
- (2) 働き方に起因する課題
6 おわりに
IV セクシャル・ハラスメント規制の企業化と男女平等政策への示唆
(レオン ウォルフ; 訳= 柴田 洋二郎) 71-91
1 はじめに
2 セクシャル・ハラスメントと行政国家
- (1) セクシャル・ハラスメント規制
- (2) 公権力の「申込」と「承諾」
3 公民権の民間管理:「新しい」行政国家
4 女性に対する影響
5 おわりに
第二部 平等への多様なアプローチ
V 雇用・社会保障とジェンダー平等: 憲法理論的考察
(辻村 みよ子) 93-120
1 はじめに―日本国憲法の人権規定とジェンダー
2 平等原則の展開:ポジティヴ・アクションと間接差別禁止
- (1) 平等原則の展開―形式的平等から実質的平等へ
- 1) 「平等原則(権利の平等)」と「平等権(平等の権利)」
- 2) 「相対的平等」と「絶対的平等」――違憲審査基準論
- 3) 「形式的平等」と「実質的平等」
- 4) 「機会の平等」と「結果の平等」
- 5) 「法律上の平等」と「事実上の平等」
- (2) ポジティヴ・アクションと平等原則
- 1) ポシティヴ・アクションの観念
- 2) 類型
- 3) 日本におけるポジティヴ・アクション
- 4) フランスにおけるポジティヴ・アクション――クォータ違憲判決
- (3) 間接差別をめぐる問題
- 1) 欧米における間接差別禁止法理の確立
- 2) 日本における間接差別禁止法制
- 3) 間接差別禁止に関する留意事項
- 4) 日本の課題
3 憲法の平等原理と公序良俗
- (1) 雇用差別事件判例による「公序良俗」の認定
- (2) 住友電工事件判決等に示された「公序良俗」優先説
4 おわりに
VI 「ジェンダー」と雇用の法
(水谷 英夫) 121-175
1 はじめに−雇用社会の変容と女性労働者の現状
2 「ジェンダー」と雇用社会
- (1) 「ジェンダー」概念の多義性
- (2) フェミニズムの雇用社会分析(その1)… 労働法・労働世界が想定する「労働者像」・「男性規範」とはどのようなものか?
- 1) 浅倉氏の「労働者像」
- 2) 大沢氏の見解
- 3) 「ジェンダー規範」とは?
- (3) フェミニズムの雇用社会分析(その2)… 「男性規範」,「男性稼ぎ主」型は変化したのだろうか?
- 1) 浅倉氏の見解
- 2) 大沢氏の見解
- 3) 「ジェンダー規範」は変化したのだろうか?
- (4) 男女平等(「ジェンダー公平」)・「個性」として尊重される雇用社会の構想とは?
- 1) 「ジェンダー公平」な雇用社会
- 2) 「ジェンダー公平」な規範とそれを目指す雇用社会の法政策は?
3 日本の「男女雇用平等」法制の歴史
- (1) はじめに
- (2) 均等法以前
- (3) 均等法以後
- 1) 均等法制定(第1ステージ)
- 2) 改正均等法(第2ステージ)
- 3) 均等法改正(第3ステージ)
4 ジェンダーと雇用の法の「未来」は?
- (1) 改正均等法(第3ステージ)の役割・インパクトは?
- 1) 低水準の規制内容,実効性
- 2) 「間接差別」導入のインパクトは?
- 3) ポジティブ・アクションは?
- 4) セクシュアル・ハラスメント対策は?
- (2) 平等待遇・収入,反周縁化の実現を目指して−「均等待遇」の実現はどのようにして可能か?
- 1) はじめに
- 2) 公正な雇用管理システムの構築
- 3) 「均等待遇」−「男女同一賃金の原則」とその限界
- 4) 非正規雇用の賃金格差是正
- (3) 「ワーク・ライフ・バランス」−「労働時間短縮・平等余暇」「ケア支援」の規範構築を目指して
- 1) 労働時間短縮・平等余暇の実現
- 2) ケア支援
5 おわりに−「ジェンダー規範」から「ジェンダー公平」な規範の実現を目指して
VII 男女雇用平等の新たな法理念
(水町 勇一郎) 177-198
1 はじめに
2 「法の手続化」理論
- (1) 「フォード・モデル」とその特徴
- (2) 「フォード・モデル」に代わるモデル
- (3) 新たな規制モデルとしての「手続的規制モデル」
- (4) 「手続的規制モデル」の具体的制度枠組み
3 「構造的アプローチ」
- (1) 従来型のアプローチ
- (2) 新たなアプローチとしての「構造的アプローチ」
- (3) 具体的な動き
- 1) 裁判所の役割―自主的な問題解決プロセスの重視
- 2) 職場の取り組み―構造的な問題解決の手法とそれによって得られた成果
- 3) 仲介者の役割―法と職場の間を橋渡しする専門家の存在
- (4) 構造的アプローチを推進するための施策
4 2つの法理論から導き出される法理念
- (1) 2つの法理論の共通点と相違点
- (2) 新たな法理念
5 おわりに―日本の男女雇用平等政策とその課題
- (1) 均等法上のポジティブ・アクション
- (2) 次世代育成法の事業主行動計画
- (3) 改正均等法による間接差別の禁止
VIII 雇用における性差別: 法と経済学からのノート
(飯田 高) 199-215
1 市場競争と性差別
- (1) 男女共同参画社会の目標とその達成のための手段
- (2) 市場の圧力と差別――ベッカー・モデル
- (3) ベッカー・モデルの妥当性
2 統計的差別
- (1) 代理変数としての性別
- (2) 統計的差別が生ずる条件
- (3) 統計的差別に対処するには
3 考慮されるべき要素
- (1) 仕事に対する嗜好の違い
- (2) 環境に対する反応の違い
- (3) 社会ネットワーク
4 法政策への示唆
- (1) 市場での競争と情報の流通
- (2) 情報ネットワークの構築
- (3) 苦情処理・紛争処理のシステムの充実
5 おわりに
IX 性別格差と平等政策: 階層論の枠組による体系的批判
(田中 重人) 217-238
→全文
1 はじめに
2 階層の一般理論
3 性別階層過程
- (1) 性別と労働者タイプ
- (2) 仕事参加度のちがい
- (3) 所得の格差
- (4) 性別階層の過程と平等政策の倫理的基礎
4 性別階層過程の各段階に対抗する平等政策
- (1) 現行の政策目標
- (2) 中庸の仕事/家庭バランス
- 1) 仕事/家庭バランス政策
- 2) 仕事/家庭バランス政策の限界
- (3) ファミリーフレンドリー制度
- 1) 部分的仕事参加の制度化
- 2) 不完全な補償と賃金制度の問題
5 おわりに
- (1) 現行政策の限界
- (2) もうひとつの可能性
第三部 諸外国における雇用政策
X 世界の賃金平等戦略の最前線と今後の行方
(居城 舜子) 239-261
1 はじめに
2 欧米における賃金平等戦略(間接差別や同一価値労働同一賃金原則)の展開
- (1) 同一労働同一賃金から間接差別や同一価値労働同一賃金原則の法制化へ,
- 1) 労働協約とジェンダー賃金格差
- 2) 職務評価の導入状況
- 3) ミネソタ州の実践事例
- (2) 同一価値労働同一賃金原則の実行
- (3) 同一価値労働同一賃金原則の成果と限界
3 賃金平等戦略の新展開
- (1) カナダ連邦法の改正(同一価値労働同一賃金原則の実効性の強化)
- (2) オルタナティブな性差別的賃金の算出方法(Long-Term Earning Gap分析)
- (3) ジェンダー主流化賃金格差分析
4 おわりに
XI アメリカにおける雇用差別禁止立法の歴史と現状: 性差別を中心に
(長谷川 珠子) 263-284
1 はじめに
2 アメリカにおける雇用差別禁止制度の歴史
- (1) 奴隷制度と人種差別問題への取組み
- (2) 1964年公民権法第7編の制定過程
3 雇用差別禁止立法の枠組み
- (1) 概要
- (2) 第7編の禁止する雇用差別
- 1) 差別的取扱い(disparate treatment)
- 2) 差別的インパクト(disparate impact)
- (3) 救済
4 性に基づく雇用差別
- (1) 同一賃金法(Equal Pay Act)
- (2) 妊娠・出産を理由とする差別の禁止
- (3) セクシュアル・ハラスメント
5 おわりに―差別の多様化・複雑化と新たなアプローチ―
XII EUジェンダー政策の発展と展望
(関根 由紀) 285-306
1 はじめに
2 EU法制における男女平等:条約及びEC指令
- (1) EC条約の男女均等規定
- (2) 男女同一賃金指令〔1975年〕75/117/EEC → 2006/54/EC に統合・撤廃
- (3) 男女均等待遇指令〔1976〕76/207/EEC → 2006/54/EC に統合・撤廃
- (4) 性差別事件における挙証責任の転換指令〔1997〕97/80/EC → 2006/54/ECに統合・撤廃
- (5) 自営業者均等待遇指令〔1986〕86/613/EEC
- (6) 社会保障分野における男女均等待遇指令(公的社会保障)〔1978〕79/7/EEC
- (7) 社会保障分野における男女均等待遇指令(職域社会保障)〔1986〕86/378/EEC → 1996年12月20日の96/97 EC指令により改正 → 2006/54/EC 指令に統合・撤廃
- (8) 母性保護指令〔1992〕92/85/EEC
- (9) 育児休業指令〔1996〕96/34/EC
- (10) パートタイム労働に関する指令〔1997〕97/81/EC
3 EU男女均等計画
- (1) 第4次男女均等計画
- (2) ジェンダー平等のための戦略的枠組に関する委員会コミュニケーション(2001-2005) COM(2000)335 final
4 EU政策決定における男女機会均等の達成のための機構
5 おわりに
XIII イギリスにおけるパートタイム労働の平等法理: 男女差別からのアプローチ
(阿部 未央) 307-322
1 はじめに
2 男女差別(Gender Discrimination Model) からのアプローチ――同一労働同一賃金原則,間接差別原則
3 非正規従業員差別(Core-periphery Model)からのアプローチ――パートタイム労働者均等待遇原則
4 おわりに――日本への示唆
XIV フランスにおける労働市場とジェンダー: 平等なきパリテ (parité)
(マルガレット マルアニ; 訳= 柴田 洋二郎) 323-330
1 はじめに
2 労働の世界への女性の進出
3 分離(ségrégations)と分断(segmentations)
4 賃金格差
5 パートタイム労働と不完全雇用
6 失業者に占める女性の割合の高さ
7 おわりに
XV 韓国における男女共生社会に向けた雇用政策の展開と現状
(趙 翔均) 331-346
1 はじめに
2 韓国の男女共生社会に向けた雇用政策の展開
- (1) 憲法裁判所と司法府による認識の変化――二つの事件
- 1) 梯隊軍人支援に関する法律8条1項違憲確認訴訟(憲法裁判所1999.12.23. 98憲マ263決定)
- 2) 同一価値労働に対する女性賃金差別の違法性判断(大法院2003. 3. 14. 宣告,2002ト3883判決)
- 3) 評価
- (2) 女性雇用の保障及び拡大のための韓国の立法の体系と展開
- 1) 憲法上の平等と特別な保護
- 2) 勤労基準法
- 3) 男女雇用平等法の展開と評価
- 4) 職業安定法
- 5) 雇用政策基本法
- 6) 雇用保険法
- 7) 立法の体系上の特徴と問題点
3 韓国の女性雇用の現状と課題
- (1) 韓国の女性雇用の現状と問題点
- 1) 女性の低活用構造の持続
- 2) 女性雇用の不安定性
- (2) 韓国の女性雇用の課題――女性労働力開発総合計画2010を中心に
- 1) 多様な女性雇用の戦略的拡大
- 2) 女性の能力開発を通した雇用機会拡大
- 3) 女性人材開発インフラ拡充
- 4) 仕事と家庭の両立基盤の構築
- 5) 政策推進体系整備
4 おわりに
第四部 諸外国における社会保障政策
XVI ドイツにおける男女共生社会に向けた社会政策
(水島 郁子) 347-367
1 はじめに
- (1) ドイツ社会の特徴
- (2) 男女共生社会に向けた社会保障の役割
2 老齢保障
- (1) 年金権の確立
- 1) 任意加入
- 2) 育児期間中の加入義務と保険料みなし拠出
- (2) 年金分割
3 産前・産後期間の保障
- (1) 女性労働者の産前・産後期間(妊娠・授乳期間)
- (2) 期間中の身分保障
- (3) 期間中の所得保障
- (4) 現状
4 育児期間の保障
- (1) 両親休暇
- (2) 育児手当
- 1) 連邦レベルの育児手当
- 2) 州レベルの育児手当
- 3) 育児手当から両親手当へ
- (3) 児童手当
- (4) 看護休暇と疾病手当
5 おわりに
XVII 家庭生活と職業生活の両立: 育児に関するフランスの社会法制
(柴田 洋二郎) 369-394
1 はじめに
2 育児に関する休暇法制
- (1) 出産に関する休暇法制
- 1) 出産休暇(congé de maternité)
- 2) 家庭の事情による休暇(congés pour événements familiaux)
- (2) 養育に関する休暇法制
- 1) 養育親休暇(congé parental d'éducation)
- 2) 子の看護休暇(congé en cas de maladie ou d'accident de l'enfant)
- 3) 付添親休暇(congé de présence parentale)
- (3) 父親休暇(congé de paternité)
3 養育支援策
- (1) 養育体制
- 1) 家庭外・集団的な養育方法
- 2) 家庭外・個別的な養育方法
- 3) 家庭内・個別的な養育方法
- (2) 従来の養育支援策
- 1) 出産時の支援
- 2) 親による養育に対する支援
- 3) 第三者養育に対する支援
- (3) 2004年の養育支援策の改革
- 1) 改革の背景
- 2) 改革の内容
- 3) 改革の評価
4 おわりに
XVIII フランスの年金制度と女性
(嵩 さやか) 395-416
1 はじめに
2 フランスの年金制度の概要
- (1) 法定基礎制度(一般制度)の老齢保険
- 1) 保険者と被保険者
- 2) 給付
- 3) 財源と財政方式
- (2) 老齢者最低所得保障
- 1) 老齢被用労働者手当(allocation aux vieux travailleurs salariés:AVTS)
- 2) 付加手当(allocation supplémentaire)
- 3) 財源
3 フランスにおける女性と年金−遺族年金と育児加算
- (1) 職業活動を行っていない女性と年金−遺族年金の改正と派生的権利の問題点
- 1) 一般制度における遺族年金(2003年年金改革以前)
- 2) 遺族年金の2003年改正
- 3) 派生的権利の問題と権利の個人化
- (2) 職業活動を行っている女性と年金――女性被保険者のための加入期間の加算と男女平等
- 1) 退職年金給付額の男女格差
- 2) 育児期間についての加入期間の加算(L.351-4)
- 3) 女性のための保険加入期間加算と男女平等
4 おわりに
XIX 韓国における男女共生社会に向けた社会保障法制の展開と現状
(盧 尚憲) 417-433
1 はじめに
2 韓国の社会保障法の展開とジェンダー政策
- (1) 韓国の社会保障法制の展開と現状
- 1) 社会保障制度の始まり
- 2) 社会保障制度の形成期
- 3) 社会保障制度の定着期
- 4) 社会保障制度の現状
- (2) 韓国の社会保障法制における「男女共生」の意味するもの:性別役割分業への批判
3 公的年金制度とジェンダー政策
- (1) 年金制度の歩み
- (2) 加入対象と加入の現状
- (3) 年金制度における男女共生
- 1) 分割年金受給権
- 2) 女性の年金受給権の課題
4 おわりに
おわりに
(嵩 さやか) 435-438
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