調査目的、調査設計、調査の範囲、方法、項目等々が、統一されているデータはきわめて少ない。 ……当初の調査目的やデータ収集過程に全く無知で二次分析することは、危険ですらある (有斐閣、1993『新社会学辞典』1040頁「データ・バンク」の項:直井優)このページは、官庁統計資料を用いた二次分析をおこなううえでのノウハウを公開するページです。 私が使ってみた統計について、気がついたことを書いていくとともに、 公開できるデータを載せていくつもりです。
1976年以降5年ごとにおこなわれている。 調査主体は総理府統計局→総務庁統計局。
2日間の生活時間の配分と1年間の余暇活動の内容を訊ねている。 私自身は、男性の家事時間の項目を専ら利用している。
なお日本語の名称は第5回調査 (1996年) にいたるまで同一。
第5回調査 (1996年) で使われた「生活行動の内容例示」によれば、 「運動会の応援」が「育児」の例としてあがっている (それ以前の調査の資料にはこの例はない)。 9/28-10/6 の調査でこんなことしたら、日曜の生活時間に相当の影響が出そうな気がするが...。 ほかにどうしようもなかったんだろうか。
あらかじめ提示した選択肢群にしたがって 一日の時間割表を埋めてもらう方式である。 単位時間の長さは、調査年度によって5分から15分までまちまちである (したがって年度によって測定精度がちがう)。
NHK がやってるので、正確には「官庁統計」ではない。 公表のされ方も、ふつうの省庁がやっている調査とはかなりちがう。
第1回調査は1941年におこなわれているらしいが、これは現在の調査とは全然ちがうので比較にならない。 第2回調査は1960年におこなわれ、その後5年ごとに調査がつづいている。
15分を単位とした時間割表を用意しておいて、 どの時間帯にどんな行動をしていたかを書き込んでもらう方式である。 最終的には、
特定の回答者の、ある単位時間 → そのときにやっていた行動のコード
という形式でデータ・セット化されているものと思われる。 15分の途中で行動が変わった場合は、 それぞれの行動の時間の長さに比例した確率でどちらかに割り振られる。 並行してふたつの行動をおこなっていた場合には、重複してカウントされる (ということは、行動コードのフィールドは、ひとつの単位時間に対してふたつあるということである)。
データとしては、「その単位時間に自宅にいたかどうか」を記録したフィールドもあるはずで、 実際第2,3回調査 (1960,1965) の報告書では、同じ行動でも「内」「外」の別に集計されていた。 それ以降の報告書からこの分類が消えてしまったのは残念なことである。