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ライフプラン冊子には何が書いてあるのか

田中 重人 <http://tsigeto.info/18y>
(東北大学)
連続勉強会 ＜「国難」のなかのわたしたちのからだ＞ 第1回：書き換えられる女のからだ――またも改ざん？ 「女性の年齢と卵子の数の変化」グラフとその言説の検証 (2018-04-01)

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Contents

以下、スライド用アウトライン

//から始まる行はコメントあるいは発言内容です。スライドには出ません。

[スライド (PDF 2MB)]

自己紹介 【30秒】

問題意識 【4分】

専門家に対抗するための 「常識」 の強化

2015副教材問題

そのメッセージ

// 副教材の「妊娠・出産」部分を投影する

// 西山報告で欠けている部分をおぎなう

// 改訂されたが、その発想は受け継がれている

// 奈良県 (2015)『今 伝えたい!! 将来のあなたへ』初版 {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref29} 「22歳ピーク」グラフ

// 2015-10-27 男女共同参画審議会 での批判 → 12月の第2版では差し替え： 騒いだ甲斐はあった?

// その他類似グラフの例：高知県 (2016) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref39}, 鳥取県 (2017) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref31}, 三重県 (n.d.) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref24}

// でも、今の源流は、直接的には厚生労働科研費2012年度の冊子 {http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/dl/gyousei-01-01.pdf} →投影

ライフプラン冊子とは

妊娠や出産の知識を身につけさせる狙いで 自治体 が出している情報

地域少子化対策強化交付金 (2013-) 【1分】

// 2013年度補正予算からなので、実際には2014年以降

// 交付金について、皆川報告と重複しないよう説明

// 兵庫県の計画書例 {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref28} 


３ 事業内容
（１）普及啓発媒体の作成
　若い世代が妊娠・出産について理解し自ら考え行動することができるよう、学校等における健康教育で活用するための普及啓発媒体を作成する。
　作成にあたっては、保健師、助産師等の専門家にも携わってもらい、連携構築にも資するものとなる。
ア 作成部数：健康マイプランテキスト（ライフプラン編）50,000 部
イ 配布対象：高校生
ウ 内 容：妊娠・出産に関する正しい知識、女性のからだと妊娠、望まない妊娠のリスク、高年齢妊娠・出産のリスク、卵子の老化、男性不妊、ライフプランニングの進め方等について

兵庫県 平成26年度地域少子化対策強化交付金事業 別紙 補足資料 (p. 4) {https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf11/documents/h26hosoku.pdf}

//それ以前：

// 佐賀県 (2010) 『ファミリープラン：健やかな妊娠のために』(監修= 佐賀県医師会産婦人科医部会) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref41}

// 鳥取県 (2010)『女と男の幸せガイド：健やかなパートナーシップをめざして』(日本助産師会鳥取県支部) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref31}

// 静岡県 (2013-03) 『いつかはママ。だから今から、知って欲しい。』(監修= 金山尚裕) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref22}

// 大分県 (2013-07)『今伝えたい! いつかは子どもを…と考えているあなたたちへ: 知っておきたいからだのこと』(漫画= 福田 素子; 監修= 楢原久司) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref44}

// 徳島県 (2013-09) 『男の子、女の子のみんな! 自分の人生設計 (ライフプラン) 考えよる?』(監修= 苛原 稔) {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref36}

// 東京都の冊子は初版2010年とのこと {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref13}

// 高知県は2011年に女子生徒向けハンドブックを出しているとのこと {http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060501/files/2014052700267/file_201572493943_6.pdf}

収集状況

30都道県で発見: 北海道, 秋田, 山形, 福島, 茨城, 群馬, 千葉, 東京, 神奈川, 富山, 山梨, 長野, 岐阜, 静岡, 愛知, 三重, 奈良, 鳥取, 岡山, 広島, 山口, 徳島, 愛媛, 高知, 福岡, 佐賀, 大分, 鹿児島, 新潟*, 埼玉*
17府県で未発見: 兵庫?, 熊本?, 青森, 岩手, 宮城, 栃木, 石川, 福井, 滋賀, 京都, 大阪, 和歌山, 島根, 香川, 長崎, 宮崎, 沖縄

*: 小規模なウェブサイトのみ。 ?: 作成したという記述はある。

{https://ameblo.jp/lifedesignstructure/} などの情報を参考にした

形態 【2分】

想定読者層: 中学生〜若者、カップル
用途: 講演などでの使用 // 冊子の場合

作り手

テーマと構成 【4分】

形式：

設定と語り口：

定番アイテム 【5分】

「卵子」の表象 {http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/ovum/04/}

若い人の卵子は周囲が鮮明でツヤがあり、ピチピチしています…… 35歳頃になると卵子の表面的なツヤや弾力性が失われ、カタチもいびつになります。カタチが整っていない卵子は、受精しにくいと言われています。……ただ、卵子の老化と生まれてくる子どもの能力や資質とは関係がありません。

神奈川県 (c2015)「卵子は老化する」『丘の上のお医者さん』 {http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/ovum/04/}

何が問題か 【5分】

産婦人科業界の販促活動

大切なのは、若いうちから自分の身体を知り、定期的に産婦人科にかかり、子どもを産みたいと思った時に、スムーズに妊娠できる体を準備しておくこと。そのためには、月経の調子を整えるための女性ホルモンの働きを整える「低用量ピル」の服用も有効です。そして、いつ産むか、何人産むか、産まないといったライフプランも一緒に考えていくこと、あなた自身が思い描くことが何より大切なのです。

富山県 (n.d.) 「自分のライフプランについて考えよう」Mie.Net {http://www.pref.toyama.jp/sections/1205/mie.net/4002.html}

// 受け手側の受動性→岐阜の例 (Menken et al. (1986) からの不適切な引用) {http://www.pref.gifu.lg.jp/kodomo/kekkon/shoshika-taisaku/11236/lifeplanningbooklet.data/2903ninshin.pdf}

// 中学生には無理か？ →それなら与える情報の品質保証は誰がする？

// 千葉アプリの例 {http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180331/pref12}

「少子化対策」の政治利用

国立社会保障・人口問題研究所 (2018) 「人口統計資料集2018」{http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2018.asp?chap=4} による

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